隠岐の旅3日目。西ノ島から知夫里島に渡り、観光の後、また西ノ島に戻ってくる予定。知夫里島は隠岐4島の中で、一番小さく人口も少ない島である。西ノ島~知夫里島は島前内航船フェリーどうぜんで行き来するが、便が1日1往復しかない。遅れずに乗れるだろうか、満車で乗れなくならないか… など、いろいろと心配してしまう。もし、そうなった場合の代替案も考えた。
知夫里島のマップ。他の島に比べて、スポットは少ない。主に、赤ハゲ山と赤壁。今日は、のんびり回ろうと思う。
知夫里島行きの便は、別府港9:20。 早めに宿を出たが、時間がある。島内唯一のコンビニ(Yショップヤマザキ)が船引運河近くにあるので、港近くの店では置いてなかった、常用の煙草ピアニシモを買いに行ったが、やはり置いてなかった。昼ご飯のパンだけ買って、別府港に行く。
港から見える黒木御所がある小山。
フェリーどうぜんに乗船。全部で9台くらい乗った。余裕はあと1台分だった。
知夫里島に向かう。
知夫里島の来居(くりい)港に着いて、赤ハゲ山に向かう途中、ここにも後醍醐天皇の足跡。後醍醐天皇上陸の跡とある。
上陸したという港。後醍醐天皇に関する伝承地は各所にあり、史実かどうかは定かではない部分もある。西ノ島の黒木御所の他、隠岐の島の隠岐国分寺にも御在所跡とされる場所がある。
10:20、赤ハゲ山山頂駐車場に到着。展望台もある。
京都から来られたシニアご夫婦と出会う。今日、京都に帰るとのこと。11:35のフェリーくにがで、一度、別府港に戻り、そこからフェリー隠岐に乗り換えて本土に戻る行程。時間がないので、すぐに下山された。自分は、来居港15:51の内航船で別府港に戻るので、時間はたっぷりある。
歌碑が建つ。「牛の目に 野大根の花 あふれたる」
山頂の標高は325m。山頂から360度見渡せる。西ノ島、左の岬が、昨日夕日を眺めた鬼舞展望台。今日は波が穏やかそうだ。国賀海岸巡りの観光船も出るだろう。結果的に分かったが、隠岐の旅、2日目に西郷港から知夫里島に渡り、別府港に行った方が、西ノ島をゆっくり観光できたかもしれない。海岸巡りもできただろう。
明日訪れる中之島。風力発電の風車が目印。ここから見ると、西ノ島・中之島・知夫里島が円を描いて並んでいるのが分かる。この内海は、かつての火口跡、カルデラに海が入り込んでできたもので、各島は外輪山に当たる。いわば、阿蘇山が海に沈んだようなもの。
知夫里島の南方向。
登ってきた道。
西は日本海。
南側。知夫里島南部から歌碑まで。昨日と異なり、今日は風の音が皆無。
もう一度、ゆっくり眺めていたら、地元のシニア男性2人が登って来られた。挨拶して少し話を聞く。たくさんいる牛は、子牛を生ませるために飼育しているとのこと。牛には、それぞれ番号札がついており所有者が確認できる。子牛は、神戸に出荷されれば神戸牛になり、松坂に出荷されれば松坂牛になるとのこと。
少し下ったところ。
赤壁へ行く道との分岐。あとで戻ってくる。
もう少し下へ。失礼して牛の側を通らせてもらう。他の動物と違い、牛は避けない。
ここにも後醍醐天皇行在所、仁夫里坊跡。仁夫里坊は隠岐に流された後醍醐天皇が最初に住んだ寺。詳しくはここ。
赤壁への分岐まで戻る。
牛の門番?の許可を得て通過。
赤壁に下る道。
すでに、土が赤い。
長い石垣は牧畑(まきはた)のもの。石垣で区分し、耕作と牧畜を交互に行い、地力を維持した。
道路も牛にとっては居住区なので、居座ったまま。クラクションを鳴らしても逃げない。Uターンするスペースもなく、前進するしかない。牛の扱いに詳しくないので、じっと待つ。
待つこと約10分。ようやく親牛が路傍に座り込んだ。子牛は動かない。子牛の側、ぎりぎりを通過する。
通過したら、また牛ブロック。また待つ。
なんとか赤壁駐車場まで下ってきた。
赤壁。地元では「あかかべ」と読む。自分もそう読んでいた。国の名勝に指定されたとき、三国志の赤壁の戦いにちなみ、「せきへき」と名付けられた。
展望所までの遊歩道を行く。
赤壁展望所。
赤い色は鉄分の酸化による。垂直に伸びる白っぽい岩は、「龍のぼり」と呼ばれる。ここも、摩天崖同様、海から見ると面白いが、観光船はなく船をチャーターするしかない。
下を覗く。これが限度。
南側の断崖。
下には青い海。
断崖から赤壁へ。
崖の上を歩けないこともないが、危険なので止めておく。
赤壁、下から上へ。
上の方には牛がいる。
駐車場に戻る。
時刻はまだ正午前。帰りの船の時間まで相当ある。もう一度、赤ハゲ山に登り、そこで昼ご飯にすることにした。途中、島の南部の景色。右の小さな島は神島。
赤ハゲ山山頂に戻り、景色を見ながら、昼ご飯のパンを食べる。
やはり昼食中の、初老ご夫婦。
お世話になった?牛に別れを告げ、下山する。
海岸線を走り、港方面に向かう。
港に戻る途中にある河井の地蔵の湧水。知夫里島の水源は湧水である。
また、近くに松養寺がある。近くまで車で上り、歩いて向かう。
それらしい雰囲気になってきた。
建物が見える。
松尾山松養寺。
訪れる人もそんなにいないだろう。ひっそりとしたところ。
小倉宮教尊王の墓所。
これも流刑に関連したもの。
松養寺の大イチョウ。
13:40、来居港に戻る。港の前には、ループ橋がある。
船の時間まで2時間以上あるが、待つことにする。今のところ一番乗り。乗れないことはないだろう。来る時がいっぱいだったので心配だった。
港の正面に西ノ島が見える。
フェリーの時間を再度確認。やはり2便しかない。
これは内航船いそかぜ。
いそかぜの待合室。こちらは、便は多い。費用は掛かるが、いそかぜを使い知夫里島でレンタカーを利用する方法もある。
港周辺を散策する。
遠くから見た来居港。
波止場堤防の先へ。
目の前には中之島。
潮干狩りをする地元のご婦人。
港に戻ろうとすると、赤ハゲ山山頂で、牛について話してくれたシニア男性にまた会った。向こうも自分を覚えておられて挨拶する。山に海に大活躍だが、ボランティアの方だろうか。
時間を持て余し、フェリーの待合室で休む。そこにある知夫里島マップを見ていて、自分が事前にチェックしたスポットがまだあったことに気づく。島津島遊歩道。赤ハゲ山と赤壁に夢中で、すっかり忘れていた。船の時間までに、行って来れないことはないが、時間に追われるのも嫌だし、せっかく陣取った一番乗りを空けるのも嫌なので、このまま待つことにする。
ようやく帰りのフェリーがやって来た。帰りは自分を含め3台だつた。
来居港を後にする。
西に赤ハゲ山。
東に中之島。
赤ハゲ山と鬼舞の岬。
無事、別府港に戻る。
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