JR山陽本線・西条駅に朝早く着く。新しい駅である。
駅の南口に出て、左方面の酒倉通りに向かう。
『駅の東側に多くの酒造施設が密集し、レトロな洋館社屋を前に構え、赤い煉瓦煙突を看板代わりにした西条独特の酒造会社スタイルの醸造元や、白い漆喰と黒い海鼠壁とのコントラストが美しい土蔵造りの酒蔵群、千本格子の町家造りも残るバラエティに富んだ町並みを散策してみてはいかがでしょう。駅の西側にも二軒の蔵元があり、カフェやレストランなどもやっています。』(東広島観光情報サイトより)
味わいのある古い建物が並ぶ。
酒を断って35年になる自分にとっては皮肉な町であるが、酒倉の佇まいだけを味合う。
時間が合えば、工場の見学もできるところもあるらしいが、まだ早いので開いていない。事情のある自分には却って幸いだ。酒の匂いの漂う工場内で、試飲でも勧められたら!危ない!から…
酒倉通りから駅前近くに戻り、南へまっすぐ続く道路を歩く。黒瀬川を渡ると、少し上り坂になっている。西条バイパスの手前にある陸橋に上がる。
西条駅方面(北)
西条バイパス方面(南)
陸橋を東方面に少し下ると
古墳を中心として、一帯が公園になっている。駐車場と事務所もある。
三ッ城古墳
『西条盆地の南側丘陵部に築造された、前方後円墳である。方墳部を北にして全長92メートル、幅67メートル、高さ約13メートルの古墳で、広島県内では最大の古墳である。築造時期は5世紀頃と推定されている。』(ウィキペディアより)
前方後円墳というと、有名な大阪・堺市にある仁徳天皇陵古墳を思い描くが、「広島県内最大」と言っても、比べると小さなものである。
第一古墳の斜面は石で覆われ、円筒の埴輪が周囲を取り囲む。
古墳の上に登ってみる。
登ったところで、掃除をしていたシルバーのおじいさんが話しかけてくる。
「出ましたか?」
「???」
「何か出ましたか?」
ここはらしくないが一応古墳なので墓である。幽霊でも出ると言うのだろうか。
ではなく、スマホで写真を撮っている自分を、ポケモンをしていると思ったらしい。
「写真を撮っているんです」
天日でお湯でも沸かす施設かと思いきや、透明なカバーで覆われたのは、古墳の埋蔵物である。
シートが曇っていて、中はよく見えない。石棺のようなものがある。
第一古墳と違い、芝生に覆われた第2古墳。
円墳(第2古墳)と前方後円墳(第1古墳)
第3古墳は、円墳の周辺に隣接していたらしいが、予備知識を持っていなかったので、見逃したようだ。
公園内を歩いて回る。さほど広くはない。
隅っこにあった、これも古墳らしい。
古墳めぐりを終えて、西条駅まで来た道を戻る。広い道路で区画された駅の南地区と正反対に、駅の北側は昔ながらの狭い道で、マップで見ると寺や神社が多い。行ってみる。
駅の北側すぐにある 教善寺。駅からも見える。
お寺のすぐ近くに、御建神社。公園と球状が併設されている。
ここから、東へしばらく行くと、安芸国分寺歴史公園があるが、曲がりくねった道が置く、スマホもマップで何回も位置を確認してたどり着く。
跡地だけに、広い原っぱ。建物はない。
公園の隣に安芸国分寺。
畑の側を歩いて
西条駅に戻る。
次の電車の時間まで時間があるので、駅構内の喫茶店でトーストセットを注文する。
朝早く出たので、11時には自宅に帰った。