2018年2月24日土曜日

宇部・ときわ公園2

やっと温泉に着いたのだが、一般の民家のような建物。ここだろうか。「くぼた」の看板がある。玄関を開けて入る。思い描いていたいわゆるSPAとは違ったが、ここが温泉だった。

入浴料¥500。風呂には、SPAにあるようなボトル入りのシャンプーなどはなく、固形石鹸が置いてあった。サウナもあるが、2人入ればいっぱいの狭いもの。まあ、銭湯でも¥420だから、これはこれでいいか。

館内には喫煙所がなく、風呂上りの一服は表のテラスに出て吸う。のどかな田舎の雰囲気がいい。

思い描いてような食事処はなく、前回の上関に続きまたしても、昼飯にありつけない。風呂を出て、すぐ近くのコンビニでおにぎり1個を買い、歩きながら食べる。

ここから、宇部線の床波駅まで歩く。バス停もあったが、行き先が「宇部新川」で、コースが少し違うのでひたすら歩くことにする。途中、またコンビニに立ち寄り、コーヒーとパンを買って食べる。

床波駅に到着。新山口方面の電車までに小1時間ある。駅前にタクシーが停まっているが、利用者はいるのだろうか。

時間つぶしに駅周辺を歩いてみる。スーパーがあるこの辺が、中心になるのか。

文具と電気を扱うユニークな店。

14:49ようやく電車の時間になったので、次の降車駅・阿知須に向かう。乗客は自分とおばあさん2人。やや遅くなったが、せっかく来たので阿知須駅で降りて、きらら浜一帯を歩くことにする。

片倉温泉から床波駅まで。

こうして書いていて気がつくのだが、どこかで「床波」を聞いたことがあった。実は、かなり前に炭鉱労働者を扱ったドキュメンタリー映画の自主上映運動に参加していたことがあって、そのとき、石炭記念館と床波に来ていた。床波近くの海には、長生炭鉱跡地に2本のピーヤ(排水、通気口)が当時のまま残っている。そして、1942年2月3日午前9時過ぎ、炭鉱事故が起きた。海底に延びた坑道のおよそ1km沖合で水没事故。183人の坑夫たちが一瞬にして犠牲となる。その多くは、朝鮮人労働者であった。遠く故郷を離れ、異国の海底に埋もれた人々を思うといたたまれない気持ちになる。事故の詳細は、このHPに詳しく記載されている。上記の文章もそこから引用したもの。

今も、沖合いに残る2本のピーヤ。(ネットでみつけた画像)

床波駅周辺を歩くときに思い出せば、自分の目で見ることができたのだが… 残念。坑道入り口なども当時のものが残っていたのを覚えている。


さて、話を今日のウォーキングに戻す。きらら浜の最寄の駅である阿知須駅に到着。きらら博覧会のアクセス駅になっただけあって、宇部線の駅としては立派な駅だ。現在15:06。新山口行きの電車、16:49がある。これから歩けば、次の乗車駅はひとつ次の岩倉駅だろうが、1時間40分で十分歩けるだろう。

阿知須駅から南に、きらら記念公園のドームを目指して歩く。途中、カラフルな水門がある。

左手にドームは見えるが、そこまでの道がなかなか見えてこない。川沿いに歩く。前方、おとうさんが娘に自転車を教えている。

やっと、左折する道があった。歩いて親子を追い抜くが、しばらくして娘さんが大泣き。転んでしまい、おとうさんにすがって泣いているほほえましい姿を見る。

円形ドームは、現在プール他のの多目的ドームとして利用されている。

ドームの前にある人口の入り江、「月の海」

若者が写真撮影している。コスプレの撮影だろうか。

砂浜をあるいて、円形ドームの全体像を見る。宇宙的なイメージ。
  
南には風車が見える。近くまで行ってみる。

♪ 回る回るよ、時代は回る

沖合いに見えるのは、マップから判断すると島ではなく、防府方面の半島か。

きらら記念公園から、きらら浜自然観察公園に向かう。
 
 まっすぐな道が続く。約1km。歩く人も、走る車もない。

途中、遠石島と刻まれた記念碑がある。昔は、ここらは海で、ここはその中に浮かぶ島だった。
 
自然 観察公園に到着。

公園内は、淡水湖・汽水湖・干潟・ ヨシ原の4区域に分かれる。

淡水湖に突き出た東屋。

水鳥たちが遊ぶ。

ビジターセンターー。野鳥観察は利用料¥300。時間も遅いので今回はパス。

裏に回ってみると、センターから望遠鏡で熱心にバードウォッチングしている人たち。

ヨシ原と干潟の間の道を先に進む。

潮が満ちているので、干潟区域が干潟になっていない。鳥もいない。

東側向こうに見えるのは、入り江をまたぎ宇部地区と防府地区を結ぶ橋。

日がかなり傾いてきた。時間は16:40。スマホの「駅Locky」という時刻表カウントダウンソフトでは、後6分。予定していた時間の電車には到底間に合いそうもない。歩行時間の見通しが甘かった。だいたいマップで憶測した歩行時間より、実際の歩行時間のほうが大きくなる傾向がある。
次の電車は、17:36。約1時間あるので、宇部線岩倉駅までゆっくり歩いていくことにする。というか、足の裏が痛くて、速くは歩けない。思えば、今日は、一日中歩きどおしだ。歩行系ソフトでは、歩数は31000歩を越え、歩行時間は6時間を越えている。これまでのウォーキングの最高記録になる。

自然観察公園を出てJR岩倉駅に向かう。

 道の両サイドには、広いヨシ原が広がる。博覧会跡地利用がされていないのだろうか。そういえば、広島の海と島の博覧会跡地も最近になってゆめタウンができた。約30年の後のことだった。このあたりの人口を考慮すると、郊外型ショッピングモールも難しいのだろう… など余計なお世話をしてしまう。

岩倉駅まであと少しのはず。足が痛むので、長く感じてしまう。



ああ、やっと墓場の向こうに見えてきた。さて、入り口はどこ?

裏に回ってみると階段があった。

 宇部線岩倉駅。ホームも単線で、上り下りが共用で乗り入れることになる。

これで宇部線にかなり詳しくなった。

宇部線はほとんどがワンマンカーである。その乗り方が掲示してある。なるほど、先頭車両の後部から整理券を取って乗るのか。先ほど、床波駅で、電車の時間が近づくと、おばあさんが足の悪いのにわざわざ移動した意味がやっと分かった。そのとき、自分は確か前方の降車口から乗ってしまった。

ホームには丁寧に乗車位置が説明してある。

定刻通り、新山口行き電車がやってきた。しかし、自分が立っていた乗車口より1両先の位置に電車は停車した。あわてて走っていく。1両編成と2両編成では位置が異なるのか。奥が深い!

新山口駅について料金清算をする。乗車時に整理券は発行されなかった。口頭での自己申告しかない。改札で「岩倉駅から」と言って¥200払う。たとえば、もっと遠い場所から乗車し、ここで虚偽の申告をしても分からないね… などとよからぬことも考えてしまった。
おにぎり1個とパン1個。さすがにお腹がすいたので、駅構内の売店でてんぷらうどんを食べる。新幹線のホームに上がった頃には、あたりはすっかり暗くなっていた。

とにかくよく歩いた1日でした。


宇部・ときわ公園1(2018.2.24)

今日は、宇部のときわ公園。防府と同じく、ここも子供の頃来たことがあるが、詳しいことは何も覚えていない。
ときわ公園を歩いた後北上し、ネットで探した片倉温泉に行く。時間があれば、宇部線で移動し、2001年の山口きらら博の跡地を利用して造られた、きらら博記念公園・自然観察公園を歩く計画である。
盛りだくさんなので、朝一の新幹線に乗る。
いつものように、改札を入ってすぐのドトールでパンとコーヒーの朝食をとるつもりだったが、土曜日の朝とあって、人の行列。おみやげ街道のコンビニもこれまた行列。朝早く、出かける人がこんなに多いのか。広島駅での朝食は断念する。
行きは、新幹線で厚狭駅まで行き、そこから山陽本線で宇部まで戻り、さらに宇部線でときわ公園の最寄の駅である常盤駅に向かう。
①山陽新幹線 広島6:05 ⇒ 厚狭6:56
②山陽本線下り 厚狭7:08 ⇒ 宇部7:19
③宇部線 宇部7:31 ⇒ 常盤7:58

宇部線常盤駅に到着する。宇部線は宇部と新山口を海沿いにつなぐ単線ローカル線。

常盤駅から北へ歩いて約10分で、ときわ公園正面入り口に到着。ときわ公園は一部の施設を除いて無料。ウォーキングやラニングで利用する人も多い。
行きたいと考えている施設が、9時以降の開館なので、しばらく公園内をぶらり。

餌を争う鳩が群がる。

常盤湖にかかる、常盤橋を渡って、東側入り口に行って帰る。常盤湖は、江戸元禄時代、田畑開作のために造られた人造湖。面積約100ha、貯水量約450万トン。

暖かくなれば、この足漕ぎボートも活躍するだろう。

公園周辺がそのまま彫刻ミュージアムになっていて、各所に彫刻が見られる。

湖に突き出た常盤神社に渡る。

ペリカン島とあるが、ペリカンが逃げないように網がしてある。

この日時計、かつて見たことがあるような?

そういえば、ときわ公園と言えば白鳥が有名なのだが、湖には一羽も見なかった。こういうわけか。2001年鳥インフルエンザにより、358羽が殺処分された。ペリカン島にネットが貼ってあるのは、インフルエンザ対策であった。

白鳥慰霊碑。白鳥の復活も企画されているとか。現在は、2羽が檻の中で飼育されている。

そろそろ時間になったので、振出しに戻り石炭記念館に行く。
宇部炭鉱:本格的な採掘は明治時代から。1940年に最盛期を迎え、エネルギーが石油に移行する1967年に閉山。聞いた話では、採掘時に生じるボタで、宇部市の埋め立ても行われた。筑豊と違いボタ山がないのはそのため。

展望台がある。
(竪坑櫓(たてこうやぐら=坑夫を昇降させ石炭を搬出する施設)を移設して、さらにエレベーターを設置して展望台としたものです。)石炭記念館のHPより

祈念館の前には蒸気機関車の展示。
(国のエネルギー政策の転換に伴い、国鉄においても、列車の動力が石炭からディーゼル(石油)、電気へと変わっていき、昭和50年には国内の鉄道からSLが全面的に姿を消すことが決まっていた。 そして、現役を引退する蒸気機関車(SL)を社会教育の目的に供する場合に限り地方公共団体等に無償で貸与を行うこととしていた。)石炭記念館のHPより

館内に入る。入場無料。炭鉱内の坑道を体験できるモデル坑道。

奥には、妙にリアルな仕事中のオニイサン。

採掘には多くの犠牲が払われた。明治25年~昭和45年で1241人、戦時中のものは統計に含まれないものもあるが、年平均22人の計算になる。

仕事が終わって、長屋で一杯のオニイサン。

豆炭と練炭。自分の子供のころも、寝るときの豆炭炬燵。火鉢には練炭だったのを思い出す。

エレベーターで展望台に上がり、ときわ公園を一望する。

石炭記念館を出て、ときわ動物園に向かう。入園料¥500。

スマホで音声ガイドが聞けるようになっているが、セキュリティの関係かiPhone8ではネットに接続できず聞くことができなかった。

ときわ動物園は、小規模ながら、世界の地域別に区分けした展示と、できるだけ檻に入れない、開放的な展示で好感が持てる。園内はちょっとした庭を歩いている感じ。

シロテナガザル(アジアゾーン)

コツメカワウソ(アジアゾーン)。子供が泳ぎを習得中で、プールデビュー前。

中南米ゾーン。

フラミンゴ(中南米ゾーン)

インコ(中南米ゾーン)。時間を決めて、飼育員がガイダンスをしている。

小さくてすばしこいリスザル(中南米ゾーン)。

部屋の中でのツーショット成功。

カピバラ。徳山動物園で見たもの(下の写真)より、自然な感じ。

(2018/2/1 徳山動物園で撮影したもの)

アフリカ・マダガスカルゾーン。

ミーアキャット(アフリカゾーン)。徳山動物園ではずいぶん待ったが、お決まりのポーズをすぐとってくれた。

ワオキツネザル(アフリカゾーン)。隣のエリマキキツネザルが気になるのか。

手の甲にスタンプを押して、入場券を見せれば再入園可能。

広島駅で朝食を食べそこなったので、動物園の隣にあるレストハウスで何か食べようと思ってのぞいてみた… いまいちなのでパス。

ご飯はまた探すことにして、次にときわミュージアムに向かう。ときわミュージアムは彫刻展示と植物園の2部門に分かれる。ミュージアム前の広場に、たくさんの彫刻が展示してある。

それぞれの展示にはタイトルが設置してあるが、素人の自分にはピンとこないものも多い。

世界を旅する植物館に入る。入館料¥300。動物園と同じく、植物が地域別に植えられている。

おなじみのバナナの実。広島の植物園でも見かける。

これは面白い。パラボラッチョ別名トックリキワタ(熱帯アメリカ)

「星の王子様」でおなじみのバオバブ(アフリカ)

タビビトノキ(アフリカ)
(名前の由来は、「茎に溜まった雨水を旅人が飲料として利用した」「木が高木であり、葉が東西方向に扇状に広がることから旅人が羅針盤として利用した」等諸説あります。)ときわ植物園のHPより。

ゴッホの絵でおなじみのイトスギ(ヨーロッパ)

トックリキワタとよく似たボトルツリー(オセアニア)

ランなどが展示してある、特別展示室をとおり植物園を出る。

ボタン園の脇を通り

湖畔を巡り、次の目的地片倉温泉に向かうルートだが、結構な距離になる 。結局、公園内では食事をしなかった。缶コーヒーで空腹を満たし、昼食は温泉に期待。

湖に水鳥が浮かぶ。

道脇の丘には鳥のさえずり。

菖蒲園。あいにく季節外れで咲いていない。
花の季節には、サクラ・ショウブ・スイレン・ボタン・フジ・ツツジ・アジサイ・ シャクナゲ・ウメ、公園内はきれいだろう。今回のように盛りだくさんのコースでなく、ここ1か所にしぼり、ゆっくり歩くのもいいだろう。

湖の北西部にかかる白鳥橋を渡る。
(橋を渡る前の写真)

渡ったところに彫刻と休憩所。

常盤湖の南方向を写す。大きな湖だ。

白鳥大橋。橋を渡ったところから写す。ラニングしている人が多い。

湖畔沿いに北上。

ここまで来ても彫刻はある。タイトルは「浮かぶ石」。これなら分かる。

湖の北端にある薬草園まで来た。

はるか南に、石炭記念館の展望台が見える。

湖畔を一周すると約6kmになる。

この辺りから、常盤湖を離れ、さらに北上し片倉温泉をめざすが、道案内はスマホのマップが頼り。「臨空頭脳パーク」(おそらく工業団地?)の西側(地図の上では左側)を通過するのが、チェックポイント

たしかこの辺で、臨空頭脳パークの横を通る道路と交差するはずだが… 交差点でなく橋だった。スマホのマップでは高低差が分かりにくく、交差点に思えた。下に下りる道がありそうだが、民家の庭に入るようなのでやめて、遠回りだが、坂道を下りていく。

臨空頭脳パークの横を過ぎて…

おお、やっと温泉!