2017年11月27日月曜日

佐木島3


気合を入れて歩き出す。下図のAからBを経由してCに至る順路。

時間はあまりないのだが、先ほど下山するとき見えて気になっていた小山がある。千本桜というものだった。

登ってみることにする。季節柄、枯れ木だが春には賑わうだろう。

しばらく歩いて峠を超えると海に出る。見えるのは、因島

左手には、先ほど苦労して登った大平山も見える。
さて、ここまで島を歩いてきたが、信号もコンビニもひとつもない。自販機は、先の向田港にひとつあっただけ。出会った車は、収穫したみかんを運ぶ軽トラ 、老人福祉センターの軽自動車、クロネコヤマトの車(人里離れた土地でもよく見かけるのは宅急便と郵便局だ)
さて、そろそろ時間が気になってきた。今のペースで、12:43分の高速船に間に合うだろうか。
現在地と、時刻を確認すると不安になってきた。

どうやら早足の歩行速度でも、間に合いそうもない気がして、小走りに走りだした。しかし、普段ラニングなんかしていないから、すぐに息が切れる。また、歩く。また走る…を繰り返す。リュックを背負ったおじさんが海岸沿いの道を走っている姿は奇妙なものだろう。

iPhone5で時間とGoogleマップで現在地を都度確認しながら、
 GPS機能を常時使うのでiPhoneのバッテリー消耗も早く、逐次バッテリー残量を確認しながら、ひたすら、walk & run
ここから、港までは写真を撮る余裕もありませんでした。画像は割愛させていただきます。

息も切れ切れ、やっと鷺港に到着。三原までの切符を買おうとすると、おばちゃんが
「いま着いた音がするけぇ、走らんと間に合わんよ」
桟橋には、船が見えた。また走る。
(佐木島鷺港では、写真を撮る余裕もなかったので、三原港に着いてから撮ったもの)

間一髪で間に合った。あのとき、少しでもrunの割合を減らしていたら、間に合わなかっただろう…と思うと、ちょっとした達成感があった!(^^)!。

なぜ、のどかな島歩きで、「走り」を入れざるを得なかったか、それにはわけがあった。
「トライアスロン発祥の地」。港には、ちゃんと案内があった… というオチでした。

実は、何も走ってまで間に合わせなくても、これが最終便でもあるまいし、
14:05フェリー
15:15高速船
の便もあるのに…
できたら早めに本土に戻り「築城450年」と銘打った三原の街を見学してみたかったから。

で、三原に戻ったが、城はなく、城跡がJR三原駅から直通で連絡しているくらいで、「築城450年」はちょっと無理矢理感がある。(三原の方、ごめんなさい)

こういう看板もあったが「小早川隆景」で大河ドラマはちょっと無理だろう。
(錦町町内会の方、ごめんなさい)

で、三原見物はそこそこに。
三原見物よりも、三原駅から北側に見えた山の方に興味がわいた。また、いつか登ってみたいと思う。(龍王山?)

帰りは、さすがに広島まで新幹線を利用した。
以上「佐木島」の旅でした。

佐木島2


頂上にいてもすることがないので、一服して向田方面に向けて下山する。
(ウォーキング中に煙草を吸うとき、喫煙場所があれば探す。人里離れた場所で、喫煙所がない場合は、吸い殻は必ず持ち帰ること…当然)
いきなり藪の中。

分岐をへて、かなりの急な下り坂。真砂土のため新調のスニーカーでも滑る。気を付けて降りる。

約10分くらいで、視界が開けてきた。またみかん畑。みかん栽培はこの島の主産業である。

向田港方向に降りていく。

しばらく降りると、おじさん・おばさん5~6人が、みかんの収穫作業をしていて、声をかけられた。
「歩いて来られたの」
「はい」
「道はあった?」
「枝に結んであった、ひもを頼りに登りました」
おそらく、だれも登る人がいなくて、道が分からなくなったと思われたのだろう。
自分のような者は、珍しいようだ。
「これ持って行きんさい」
みかんを6個もお土産にもらった。ありがとうございます。)^o^(


平地まで降りると、名前はふるさと館だが、いかにも校舎っぽい。

敷地内には「向田小学校跡地」の石碑。


日曜日だが、人はいない。地元の人は来ないだろうから、島外から訪れる人がいないということだろう。
自分としては、こういう廃れ感が好きである。
(この島を盛りあげようとしている方々には申し訳ありませんが…)
時間と数字に追われる現代社会と隔絶した、別世界のように感じる。時間も空気も、すべてが ほわーんとしていて、リラックスしてくる。
いっとき若者の間での「廃墟ブーム」を聞いたことがあるが、それと通ずるものがあるだろう。


干し柿が吊してあるお宅を横に

廃れた農協の建物の前を通り(右側の店は営業していた)

向田港に向かう。

向田港。ここが乗り合い場所?


 すぐ下の海岸には、県の重要文化財である「磨崖和霊石地蔵」という満潮時には胸まで海水に浸かってしまうお地蔵さんがある。

 本来なら、ここからフェリーで三原に戻るつもりだったが、昨年(2016)航路が廃止された。
おそら く、乗客の減少によるものだろう。下のようなお知らせ板が立っている。

屋根の着いたベンチで、本土のコンビニで買ってきた弁当を食べる。
ネットの情報で、「島内には食料を調達するところがないので、おいでの際はご持参ください。」とあったので、買ってきておいたもの。

さて、ここからの船便が全くないわけではないが、1日3便、しかも次は夕方になる。現在午前11時半くらい。その前に三原に戻るには、来た時の鷺港にもどるほかない。鷺港に戻るには、来た時と同じ島の西側を歩く道か、須ノ上地区を経由する東側を歩く道の2通りある。来た道を戻るのも芸がないので、因島の見える東側を歩くことにする。鷺港、次は12:43の高速船。それまで、約1時間半ある。地図で目測した限りでは、約10kmの道のり。早足で歩けば、十分間に合うだろう。

佐木島3に続く ⇒ 

佐木島1(2017.11.27)

2017.11.27、三原沖の佐木島に行ってきた。
JR廿日市5:20 JR三原7:10
三原港7:27発 

三原港は細長く、いかにも人口港のような感じ。

フェリー乗客は、自分をいれて6人のおじさんのみ。

 およそ25分で佐木島鷺港に着く
佐木島は、
​人口:776人(2015年3月31日現在)
戸数:429戸
高齢化率:57.4%
地区:佐木・須ノ上・向田地区
小佐木島(隣にある小さな島、1日に船3便)
2017年現在人口7人(ここにも人が住んでいる!おそらくお年寄り)

そもそも、なぜこの島に行こうと思ったのか…
最近、瀬戸内の島(特に目立たない小さな島々)に興味があって、Googleマップで見ていても
「この小さな島の名前はなんだろう。人は住んでいるのか。何人くらい住んでいるのか。学校はあるのか。島に行く船は?」
などなど、いろいろ想像してしまう。
広島湾にも、一日3便の小型船が運航している有人島の金輪島 。
2億円出せば購入できる無人島の峠島。
など、調べていくと結構面白い。
で、Googleマップで因島周辺を見ていて、この島が目に止まったというわけ。

地図を整理しておくと



 西が竹原方面 北が三原 東に因島 南に瀬戸田のある生口島 四方を本州と島に囲まれている。
今回は、海岸沿いを歩き、標高279mの「太平山」に登る予定。

観光地化されてない場所にいく時は、地図や交通機関の有無・時刻表を念入りに調べていくが(それがまた楽しみの一つでもある)、
太平山に登るには
●健脚コース 鷺港からすぐの狗山登山口から入り、狗山~太平山を峰伝いに歩くコース。
●一般コース 幸神登山口から入り 太平山だけに上るコース
の2通りがあるらしいが、健脚でない自分は、一般コースを選んだ。

左に行くと健脚コース、自分は右の太平山登山口(一般コース)に向かう。

廃屋がある道路を歩いていくと

海辺に出る。(見えているのは竹原・呉方面)

しばらくすると、太平山登山口に着く。

みかん畑沿いに歩いて行くと、分かれ道に出た。さて、どちらにいくか。地図を見てもよくわからない。方向からして右のほうが山頂に向かっている気がするので、右の道に進む。

また廃屋。人口が減っていったんだろうな。

あれ、行き止まり。無理をせず引き返す。

先ほどの分岐点にもどり、左側に進んでいくと
安心て進んでいく。

しばらくは平坦な道だが、次第に坂が急になり、道も草木に覆われてくる。歩いている道が本当に登山道かと不安になる。こういう観光地化されていないところを歩くときは、ネットで詳しく調べ予備知識をいれてくるのだが、自分の思い描いていたものと違い、荒れ果てたところが多い。
ここも、訪れる人はほとんどいないようだ 。だが、よく見ると、行く先の木々の枝に、赤や青のビニール紐が巻いてある。
 どうやら、正規の順路をたどっているようだ。

坂が急になると、いつものことだが動悸が激しく足も痛くなる。 休み休み登る。昨日、自宅近くの靴屋(閉店在庫一括処分~で半額)で新調したスニーカーを記念に撮影。

プリントしてきた登山図を案内に登っているのだが、今どの辺まで来ているのかわからない。
そろそろ「みはらし台」に着く頃なのだが…
思ったより登っていないようだ。
息切れしながらゆっくり進んでいくと


みはらし台(「みはらし」を「見晴らし」、漢字でなく敢えてひらがなにしているのは「三原市」と掛けているのだろうか?)からの眺め。正面は本土、左側が彦根島。

また、しばらく歩くと「千畳敷」(よくある名前のひとつ)だが、どこに千畳あるのか分からない。
左手に、あの方向を示すビニール紐が巻いてある。指示に従い進む。

 例の健脚コースとの合流点。ようやく手持ちの地図と、実際の地形が一致した。頂上まであともう少し。

最後の急な坂道。

やっと頂上に着いた!標高267.5m

が、思ったとおりに「期待はずれ」で、標高標識があるだけ。見晴らしもよくなく、広くもない。
ネットで調べた時の写真は、もう少し開けていた気がしたのだが… 

で、ふと思った。道案内として助かった、あのビニール紐はいったい誰が巻いたのだろう。
それに、きちんとしたプラスチック製の表示板も何個かあった。
「三原山の会」というのがあって、活発に活動しておられるから、おそらくその方々だろう。いずれにしても、感謝申し上げる。

長くなりすぎるので、佐木島2に続く ⇒