今回の町歩きは、山口県の柳井。山陽本線でよく通る町だが、降りたことはない。有名な「白壁の町並み」を歩いてみることにした。さらに、上関まで足を伸ばし、最終到着地は、「鳩子の湯」。
廿日市6:12の始発に乗り、岩国で下関行きに連携し、柳井には7:20に着く。
駅前にはあの金魚ちょうちんが飾ってある。
駅前の通りを北に少し歩く。
町並み資料館があるが、開館は10時。まだ早いので外観のみ。手前には、商家博物館むろやの園があるが、ここも閉まっているし、入園料は¥450と高いのでパス。
西側へ左折すると町並みのメインストリート。
なるほど、白壁で統一されていて、軒下には金魚ちょうちんが下がる。
白壁の歴史を説明している。江戸時代元禄時代以降の町屋作り。商業の町として反映した。
国森家住居。江戸時代中期の豪商の家造りとのこと。入場料¥200。ここも開館前。
美容室ではなく「髪結い処」
西の方に歩いて地区の端に、白壁ふれあい広場。ここに案内所があり、車で来た場合は駐車場がある。
朝早いので施設は開いておらず、人通りも少なくあっけなく終わってしまったので、後でもう一度くることにして、とりあえず東側のスポットに行ってみることにする。
「用明天皇は聖徳太子のお父さん…」
あっけにとられて
「はぁー」
訪れる人が少なくて、おばちゃんは、よほどウンチクを傾けたかったのか。
その柳と井戸。
そのいわれとは…
「その昔、大分の長者の娘である般若姫が、橘豊日皇子(聖徳太子の父、後の用明天皇)の后となるため、都へあがる途中、姫の喉を潤したのがこの井戸の水だといわれており、お礼に挿された楊枝が一夜にして成木になったと伝えられています。」(山口県の旅行・観光情報のHPより)
さらに案内に従い坂を上ると、国木田独歩旧宅。
明治時代の作家、夏目漱石や島崎藤村なら少し読んだことがあるが、独歩はないので、「そうですか」と、一瞥する感じ。実際独歩は2年間柳井に住んでいたが、結構あちこち転々としている。強引に柳井と関連付けてる気もしないでもない。大分県の佐伯にも立派な記念館があり、それに比べると…(観光協会の方、すみません)
高台から、柳井市街地を見る。
9時を過ぎて、そろそろ開いている施設もあるかと思い、もう一度町並み地区に戻る。これは最初に渡った橋のたもと。商業の盛んな時代には、船で荷降ろしがされたのだろう。奥に見えるのは、休憩所+トイレ。ここを行き来するたびにお世話になった。
やない西蔵。入場無料。
金魚ちょうちん造り。¥200。
しらかべ学遊館。入場無料。
興味ある人が見れば面白いのだろうが、自分にはいまいちの展示物。
時間も早く、人も少ないので盛り上がりに欠ける町歩きだったが、何よりも自分の気持ちが後で訪れる上関に移っていた。今回の旅のメインも、始めから上関に置いていた。
9:56柳井駅発上関行防長バスに乗る。
例によって乗客は少ない。自分を入れて4人。イオン平生(マックスバリュ)経由、室津半島西海岸周りで、約50分、料金¥1140で終点上関に到着。最後まで乗っていたのは自分だけだった。
バスを降りて、車道を登っていくと、上関城山歴史公園。
丸に上の家紋は、あの村上水軍のものである。説明によると、能島村上氏の城があったとのこと。(村上氏は、拠点とした島により、因島村上氏・能島村上氏・来島村上氏の三島村上氏に分かれる)
歴史公園というから、何か資料館のようなものがあるのかと思うが
階段上の広場には、見晴らし台があるのみ。
早咲きの桜が植えてあり、すでに開花し始めている。2/24から、桜祭りも予定されている。
見晴らし台からの眺め。山の上、左には上盛山展望台が見える。車でも登れるらしいが、後日、歩いて登るつもり。
右手は、さっきバスで通った室津半島。写真には写っていないが、大星山の風力発電の風車が見える。これも、後日訪れるつもり。
風景を楽しんだ後、遊歩道を歩く。
登って来た車道の脇道があるので、そっちに降りる。
しばらく歩くと、海岸に下りる道があった。
海岸沿いに、上関大橋に向かって歩く。
トラブルが多発したため、漁港内での釣りは禁止されているが、釣り人でいっぱい。
レトロな旅館。
左が船の待合室。右が「鳩子のてんぷら」屋さん。鳩子は、海(菓子)・湯(温泉)以外に、てんぷらにもなっている。
ちょうど今日が、上関町議会選挙の日だった。
(後で調べたら、定員10人のうち当選は、原発推進派7人反対派3人、投票率は過去最低で、80.60%。過去最低と言いながら、80%以上の投票率は、住民の原発への関心の高さを示している。)
神社の裏にまわり
上関大橋を見る。1969年開通、全長約200m。
バスで通った車道でなく、歩道があったので、橋のたもとまで歩いて登る。
橋のたもとがちょっとした広場になっていて見晴らせる。その一角に、江戸末期毛利藩が外敵からの防衛のため築造した砲台跡。ちなみに、毛利藩は、藩内の主要海峡に関所をもうけ、船の積み荷の検閲をした。それが、下関・上関となるが、調べたら防府市に三田尻中関があり、上中下がそろう。
上関側から大橋を見る。ちょうど、中高年者の一団がウォーキング中で、おばちゃんにデジカメのスイッチを押すように頼まれた。
歩いて橋を渡る。
橋の上から… きれいな海。やはり、原発には反対だ。
下に見えるのは、後で行く「鳩子の湯」。航跡があるが、船の往来は多い。
本土側で橋を降りたところから、大橋を見上げる。向こうは上関長島。
さて、温泉に入る前に行っておきたい場所があるので、もう一歩きする。道の駅「上関海峡」の前にある擬洋風建築「四階楼」。入場無料。
擬洋風建築(ぎようふうけんちく)とは、明治時代初期の日本において、主に近世以来の技術を身につけた大工棟梁によって設計・施工された建築である。西洋建築に由来する形を持ちながら、洋風、和風、時には中国風の要素が混合され、ある種の熱を帯びたような建築群が日本各地に建てられた。明治の開始と共に生まれた擬洋風建築は、明治10年前後にピークを迎え、明治20年以降に消えており、その時期は文明開化と重なっている。(ウィキペディアより)
1階
2階
3階
4階
4階のステンドグラスの間で、畳の上に人形を置いて楽しんでいる女子2人がいた。写真をTwitterに載せるとのこと。自分も写真を撮らせてもらう。
各階は急な階段で行き来する。
1階の受付の女子にお礼を言って後にする。ようやく、温泉に向かうが、途中に…
鳩子の湯に到着。
マイタオル持参で、入浴料¥600。
便数が少ないので、帰りのバスの時間も忘れず調べておく。温泉のすぐ前にバス停。現在12時半。2時6分のバスまで約1時間半あるので、ゆっくりできる。
温泉は、上関海峡を見ながらの快適な湯だったが、本日は日曜日のため、レストランは順番待ち。ここで昼食のつもりで弁当は買ってきていなかった。時間内に飯にありつける保証もないので、腹の足しにと、自販機のバニラアイスクリームを食べる。それでも足りないので、売店で塩せんべいを1袋買って買って食べる。
さあ、そろそろ、バスの時間なのでバス停に行く。バスの到着まで後5分くらいの頃、お腹の調子が芳しくない。さきほどのアイスクリームが効いたのか。一度出てしまった温泉にトイレだけ借りに入るのも気は引けるし、一バス遅れるのを覚悟して、道の駅まで言って用を足すことにする。普通はどちらかというと便秘気味なのだが、ウォーキングすると腸の活動が活発になるのか、予期せぬ場所と時間に催すことが多い。今回も同様。
道の駅の隣に立派な施設があったので、そこに入る。上関総合文化センター。
予定のバスはすでに出てしまった。道の駅で何か食べようかと思ったが、ここも順番待ち。
次のバスまであと1時間半ある。周囲を歩いて時間をつぶすことにする。道の駅のすぐ近くに、祝島行きの船乗り場がある。
祝島。いつか行ってみたい島だが、船は1日3便しかない。
タバコがなくなったので、自販機を探す。道の駅には見当たらなかったので、集落を歩いてみる。やっと見つけたと思ったが空家のようだ。
このあたり、歩いていても人に出会わない。空家も多い。
「ここで一服」できるが、肝心のタバコがないのだ。
ようやく自販機をみつけた。ちゃんと販売している。いつのも銘柄は置いていないが、似たものを買う。
タバコを探して歩く間、人には出会わなかった。代わりに、猫に3匹あったのは皮肉なものだ。過疎化した集落の静けさと裏腹に、温泉と道の駅だけがピンポイントでにぎわっているのも異様な感じがした。
あれこれして時間をつぶし、室津港バス停から15:37の柳井行きバスに乗る。乗客は自分ひとり。貸切バスになった。イオン平生に着くまでは、誰も乗ってこなかった。
「次は○○、お降りの方はお知らせください」
車内アナウンスがむなしく語り続けた。
バスが柳井駅に着くや否や、岩国行きの電車が発車寸前だったので飛び乗った。バスの待ち時間がたっぷり合ったのを帳消しするかのようなタイミングだった。
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