2018年3月12日月曜日

三原・竜王山+筆影山(2018.3.12)

竜王山・筆影山を知ったのは偶然であった。2017年11月に佐木島に行き、帰りに三原城址から見えた山が、龍王山(標高668m)であった。「龍王山」をネットで調べるうちに「竜王山」を知り、標高も場所も違うのでなぜだろうと思ったが、竜王山(標高445m)は瀬戸内海に面した別の山のことで、竜王山と並ぶのが筆影山(標高313m)であった。ネットで検索するとこのグループのほうが圧倒的に多く、詳細を知った次第。
登山ルートは、両山とも呉線の須波駅から始まる。2通りあるようだ。
①最初に竜王山に登り、筆影山に下りるコース
②最初に筆影山に登り、竜王山に行って戻るコース
グーグルマップで見ると②の道は地図に表示された道であるが、①の一部は地図にない道をたどることになる。①は未知数の部分が興味あり、②のように同じ道を行き来しないので、今回は①のコースを選んだ。

①のコース

②のコース

広島発6:13の新幹線で三原まで行き、呉線で須波駅まで戻る。今日はいつものコンビニ弁当でなく、駅弁専門店で弁当を買った。
6:50には須波駅に着いた。

多くの呉線の駅同様、須波駅も無人駅。

朝まだ早い瀬戸内海。

①のコースの目印は、地福寺の左側の登山道を入っていくこと。駅から西方面へ向かって歩く。「筆影山ヒルクライム」の案内がある。
ヒルクライム:登坂競技のこと。山や丘陵の上り坂に設定されたコースを走るタイムレースである。(ウィキペディアより)。自分にはとてもまねできそうもない荒業だ。

高架下をくぐり、呉線の北側に出てしばらくいくと…

確かにお寺の脇に道がある。向こうに見えるのがこれから登る山。かなり急峻な山である。

墓の横を登っていく。グーグルマップではここで道が消えている。

「筆影山・竜王山→」の案内。ここから登山道が始まる。

入ってすぐ、男性が無言で追い越して行った。慣れている方らしく、歩くのが速い。あっという間に先に行かれた。

しばらく、比較的足場のいい歩きやすい登り坂が続く。

ただ、山の斜面が急なため、何回も折れ曲がっている。

しばらくして、枯葉の降り積もった道になり、足場が悪くなる。呼吸と鼓動が荒くなり、耳の奥でトクトクと音が鳴る。いつもの、登りがきつくなったときの現象だ。道なき道を登って行った佐木島の経験を思い出す。あの時も、自分がどのあたりまで登ったのか分からず、あとどのくらいで到着するのか分からず、結構しんどかった。いや、もう先のことは考えず、今登ることだけ考え、呼吸に集中しよう… 本格的な登山者から見れば、このくらいの登攀で何を大げさなと笑われそうだが、頭の中で2つの考えがゆれている。

周囲を見渡す余裕もなく、写真を撮る余裕もなく、「ヒーヒーフー」、無心で登った。ふと見ると、思いがけず、上に開けた場所が見える。舗装された道に合流するようだ。写真の記録時間で計算すると、お寺の入り口からここまで、約17分。そう長い時間ではなかったが、登る前はそれは分からないのが山登りだ。

筆影山と竜王山をつなぐ道らしい。急な坂道から平坦な道に出てほっとした。

下界を見ながらここで一服。愛用のリュックを置いて撮影。リュックの中には、歩行計アプリに特化した中古のiPhone、携帯バッテリー、折り畳み笠、眼鏡等入っている。

中央に見えるのは、佐木島。標高アプリで調べると210m。竜王山の標高が445mだから、ちょうど半分まで登ったことになる。

ゆるやかな坂道が続く。急な斜面を登ってきたので、足取りは軽い。

一部ガードレールもあり、車の通れる道幅もあるが、車の通った気配はない。

向こうにこれから登る竜王山が見える。


左右を見渡しながら歩く余裕も出てきた。斜面の断層はほぼ垂直。ここらが造山運動の褶曲によってできたのがよくわかる。先日見たNHKのドキュメンタリー「ジオジャパン~日本列島誕生」で学んだこと、ユーラシアプレートとその動きと逆方向に動くフィリピンプレートの両方の力に挟まれて、瀬戸内海の褶曲が形成された。山が島々となり、谷が灘になった… 知っておくと見る風景に時間的な奥行きが出る。

植物の力はすごい。植物も人も、元をたどれば一つの細胞に源を発する。

だんだん頂上も近づいてくる。

2017年に開通した自動車道「竜王みはらしライン」と合流する。みはらしラインは、呉線の須波駅と安芸幸崎駅の中間くらいの幸崎町久和から登り始める。

(2017年3月26日のみはらしライン開通式:ネット画像)

傾斜12°のみはらしラインを登って行く。

駐車場・展望台入口に到着。コーヒーの自販機があるが、メンテナンスは行き届かず、暖かいものは全部売り切れ。

展望台への山道は車は入れない。

あの上の階段を上がると展望台。

見晴らしのよさそうな展望台。自分以外に人はいない。

佐木島・小佐木島、その向こうに因島などが見晴らせる。

眺望用の地図で、島の名前を確かめる。これまでに行った島、これから行く予定の島。確認するのが楽しい。
行った島:佐木島・大崎上島・大崎下島(とびしま海道)
行く予定の島:因島・生口島・大三島・大島・伯方島(以上しまなみ海道)・弓削島など

東の方に、これから行く筆影山・三原市街が見渡せる。筆影山はここ竜王山よりかなり低いのが分かる。

展望台の近くに、竜王山から筆影山に至るショートカット(近道)の案内がある。筆影山は竜王山より低いとはいえ、一度下って登る感じなのでやめて、マップで見る限り曲がりくねって距離はあるが、展望台入口まで戻り、安全策をとり舗道道を行くことにする。

道は下り坂。

強烈な廃屋。

途中にまた筆影山へのショートカットを発見。佐木島・大平山の登山案内でもお世話になった「三原山の会」の名前が見える。

下り坂なので思い切って降りてみる。

途中に登山道の分岐がある。先ほどパスした竜王山からのショートカットはここにつながるのかもしれない。

登山道は筆影山展望台の入り口に出た。

筆影山は車でも登ることができる。

竜王山に比べ標高は低いが、三原市に近いのとPRが行き届いているのか、訪れる人も多いようだ。この2人連れ以外にも何人かの人に出会った。

展望台と展望広場の分岐。車はここまで。先に展望台に行く。

階段を上がると展望台。

トイレもあって、竜王山よりも整っている感じ。

ただ、竜王山に比べて見晴らしはよくない。

ということで、別に展望広場が作られたのか。

展望広場に降りてみる。

確かに上の展望台よりも見晴らしがいい。

筆影山展望台入口に戻る。向こうが竜王山。筆影山との間には谷間があるのが分かる。

バイク乗りが休憩している。自分も一休み。いつも歩いた後に風呂をコースに組み込むのが定番なのだが、三原の近くと言えば「みはらし温泉」がある。ただ、みはらし温泉は2017年3月、レジオネラ菌の集団感染により営業停止になった。2018年1月末には、営業停止が解除になったが、いまのところ再開の日は決まっていない。

当初は、筆影山の上で昼ごはんにするつもりだったが、思ったより早く着いたので、あまり腹が減っていない。まだ、11時前。下山したところに公園がないか、スマホのマップで探すと「総合グランド」がある。ベンチぐらいはあるだろう。そこで食べることにする。三原方面から登山の登り口である和田に向かって降りる。先ほど通った登山道にの分岐があったが、もう一度、上がらなければならないので、紆余曲折して距離はあるが、舗道道を降りることにする。

初期ビートルズをBGMにして下りて行った。(最近、ビートルズの主な作品をMIDI打ち込み中)

視界が開けてきたので撮影。河口とその向こうに三原港。三原は沼田川(ぬたがわと読む)流域に広がる街。

先ほどの登山道分岐・和田口方面がここと繋がるようだ。

 かなり下に降りたところで道が2つに分かれる。 右の小川沿いを歩く。左は車道。

 川沿いに下りていくと…

呉線をまたぐ踏み切りに出た。「危険」の表示があるが、近くの踏み切りに行く道もないので、失礼して横断する。

車道に出ると、須波で見たのと同じ「筆影山ヒルクライム」の案内。ここ和田口から登る上り方もある。先に筆影山登るなら、こちらからの方が分かりやすいかもしれない。

道路の反対側が総合グランド。

堀の向こうに梅が咲いて、テーブルと椅子がある。そこで食べよう。

と、思ったが、進入禁止。グランドは企業の所有で入ることはできない。

しかたなく場所を探して、テニスコートの周りを歩く。思いがけず、白梅が咲いていた。

となりの沼田川では、電車の走る音に驚いて、鳥たちが飛び立つ。

ベンチを見つけ、そこで昼ごはんにする。今日は駅弁「山のおべんとう」

 ちょうど「みはらし温泉」の送迎バスが通った。送迎用だろうか、だれも乗っていない。

昼食・休憩を終えたが、今日は風呂もなく、まだ昼過ぎなので前回来たときに歩いてない三原駅の北側を歩いてみることにする。沼田川にかかる橋を渡り三原市街に向かう。

二級河川とはいえ、沼田川の河口は結構広い。

向こうに先ほど上った筆影山(たぶん)が見える。

三原駅の北側に来た。ここにも紅梅が咲いている。明真寺。

城下町の風情を残す、細い坂道。

山歩きで足が疲れているのだが、登らずにはいられない坂道に遭遇。

いつものように「せっかく来たのだから」で、登る。大島神社。

一説によると、秦の始皇帝が計画した大宮殿阿房宮に由来する名前の、阿房坂。

阿房坂?を下って行く。

三原駅の北側、三原城跡歴史公園の休憩所で、石垣を見ながら休憩。

前回、城址公園に上がったので、今日は眺めるだけにした。

14:28の新幹線こだままで時間があるので、南口の喫茶店「エトワール」でコーヒーを飲んで帰った。

本日のマップ

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