1日目:①金印で有名な志賀島、②花のきれいな能古島、2日目:③猫の島・相島、④最近世界遺産に登録された宗像大社のひとつ、中津宮がある筑前大島(単に大島、あるいは宗像大島といわれることもあるが、ここでは筑前大島と表記する)。島間の移動に時間がかかり、かなりのハードスケジュールが予想される。いつもコースを組むときに少し無理な感じで組み、回った後の達成感を味わうのも楽しみの一つである。
朝一の新幹線で博多まで行き、JR香椎まで戻り、JR香椎線に乗り換えて海の中道駅で降りる。8:30に海ノ中道駅に到着。
駅の周辺は広大な海ノ中道海浜公園になっている。 ただし、海ノ中道海浜公園の施設のある地区は有料である。
志賀島までは自転車を借りていく予定。レンタサイクルは公園内に2ヶ所、港に1ヶ所あるが、前者は公園内の移動に限定されるので、志賀島に行くには港のみなとサイクルステーションで借りなければならない。ただ営業時間が10時からなので、小1時間ある。周辺を歩くことにする。
博多埠頭からここまで、1時間に1便船が運航されている。
巨大な砂州である海ノ中道。
海の中道:福岡県福岡市東区にある、志賀島と九州本土とを繋ぐ陸繋砂州である。全長約8 km、最大幅約2.5 kmの巨大な砂州で、この砂州の北は玄界灘、南は博多湾となっている。うみなかとも略称される。福岡市内のリゾート地域として多くの施設を抱える。(ウィキペディアより)
香椎線の終点、砂州の先端に位置する西戸崎駅(「さいとざき」と読む) 。
港に戻ってくる。施設も開場したようである。ここはマリンワールド。
10時前にサイクルステーションに行くと係りのおじさんがいた。平日とあって閑散としている。
今日は電動でなく、通常の自転車にする。1日1000円。
自転車で走ること20分。志賀島が見える。
志賀島と海ノ中道を結ぶ道路は、細い砂州の上に敷かれている。
①志賀島
志賀島に到着。島は西回りで回るので 、金印海道を左に行く。
金印公園に到着。
高台に記念碑がある。
有名な、漢委奴国王(かんのわのなのこくおう)。
2.3cm四方の小さなもの。ここにあるのはレプリカで、実物は福岡博物館に所蔵されている。
公園は斜面を利用して作られている。自分がいる間にも、数人の人が訪れた。
金印公園から少し走ると、蒙古塚。これは元寇(文永の役)で戦死した蒙古兵の供養のために建立されたもの。日本人でなく、蒙古兵の供養塚であるのを不思議におもったが、こういう事情なので納得。
というわけで、供養塚にはモンゴルの文字が刻まれている。
古戦場跡とあるが、戦場になったのは博多湾一帯で、志賀島は主戦場にはならなかった。
予定では、自転車で島を一周するつもりだったが、自転車のペダルが思ったより重くスピードも出ない、何よりも出発時間が遅かったので、午後からの能古島行きを考慮して ここで引き返すことにする。沖に見えるのは玄海島。
志賀島入り口近くにある志賀海神社に登る。
志賀海神社。イザナギ神の禊の際に生まれた綿津見三神(海の底・中・表を守る神様)を祭る、海上交通の安全を祈願する神社。
本殿で若い男女が祈っている。
神社から博多湾を臨む。
境内の何ヶ所かに置いてある御潮井(清め砂)。左・右・左と3回砂を振り掛けるらしいが、荷物などに砂粒が入ると困るので遠慮した。
神社を下りる。
自分が登ったのは裏参道のようで、ここが志賀海神社の表参道。
神社近くの道を登ると、玄界灘と博多湾を見渡せる眺望のいい標高170mの潮見公園 に行けるが、時間の都合で入り口の確認で終える。
志賀島橋を渡り海ノ中道に帰る。
橋の上から玄界灘の波を写す。橋の下で玄界灘と博多湾は繋がっている。
中央右に見えるのは無人島。夜の船から落ちたサラリーマンが、この島で一夜を明かし、通りかかった漁船に救助されるという出来事が今年8月29日にあった。
自転車を港まで返しに行く。時間は正午過ぎ、約2時間のサイクリングであった。 みなとサイクルステーションで借りた場合も入園券が付いており、有料の公園内を走ることができるが、今日は時間がないので、もったいないが見送った。
午後の目的地、能古島に向かうために、海ノ中道駅に戻る。観光地の案内が日本語・韓国語・中国語・英語の4ヶ国語で表記されるのが最近の標準だが、ここは中国語が2種類(北京語・広東語)、もうひとつ見慣れない文字(おそらくタイの文字)で表記されている。
駅長、ただいま勤務中。
駅長はヤギ。
能古島行きの船に乗るには、JRで博多まで戻り、博多から地下鉄空港線で姪浜まで行く。西戸崎発の香椎線列車がやって来た。JR乗換駅の香椎まで乗る。
姪浜駅に着く。地下鉄はここで地上に出る。着いたのは、13:45。能古島行きフェリーの次の出航時間は、14:15。あまり余裕はない。姪浜からフェリー乗り場までバスもあるが、乗り場もよく分からないし歩くことにする。
港が見えてきた。なんとか間に合いそうだ。
フェリーは福岡市営である。
能古島行きフェリー。帰りの観光客がたくさん下りてくる。
約10分で能古島に着く。
②能古島
すでに午後2時半。島内観光に余り時間はないが、それでも自分以外にも結構な人である。
アイランドパークは島の北部・山の上にある。時間があれば歩きもありかなと思うが、今日はバスを利用する。さすが人気の観光地、日本人よりも外国人のほうが多い。
アイランドパーク行きバス。1時間に1便程度だが、これは臨時便のようだ。
14:40、のこのしまアイランドパークに到着。
入場料¥1200。帰りのバスは16:18なので、約1時間半観光できる。
入ってすぐ、レトロな三輪車。
実際の運搬用でなく、飾りとして置いてある。
まず、南側の花畑に行く。パークには菜の花など1年中何かの花が咲いているが、今回のお目当ては一面のコスモスである。
公園はとても手入れがつき届いている。
あれ?これがコスモス畑。そういえば遅咲きのコスモスもあった。これは遅咲きだろう。
変わりに土手に咲いた野草の花。こういう土手も、職員の方が丁寧に草取りをしておられる。
入り口にもどる。
公園の北側に向かう。こちらがメインである。
おお、花が咲いている。
自分が知っている名前は、サルビアと鶏頭くらい。
もうひとつの花畑に向かう。
ここにもレトロな三輪車。灰皿があるので一服。
ここから思い出通りといって、古き昭和の雰囲気を漂わせる。
古風な喫茶店と電話ボックス。
思い出通りを通り抜ける。
「この門をくぐると… コスモス畑」。さっきのが遅咲きだから、こっちは咲いているだろう。
しかし、花らしきものが見えない。
ここも遅咲きコスモスか。いや、事前にネットで調べたとき、遅咲きは確かに10月下旬となっていたが、早咲きは10月上旬からとなっていた。確かに、10月初めで早くはあるが、1本も咲いていないとは… 残念至極。
せめて、数本のコスモスを撮影。
気を取り直して、周囲を散策。万葉の時代、防御のためにこの島に滞在した防人たちが使ったかもしれない狼煙台。
レストランの名前も「防人」。
ソフトクリームを注文する。店員のおねえさんにコスモスのことを聞くと
「すみませんね。他の施設では咲いているとこもあるのですが、ここはまだ…」
申し訳なさそうに答えてくれた。
東に向いた展望台。
明日行く予定の相島が見える。
コスモスが見れないのは残念だが、それを差し引いても、眺望のいいこののどかな丘陵公園は格別だ。先ほど自転車で走った志賀島と海ノ中道が見える。
思い出通りを通り入り口にもどる。
途中横道にそれて、島の西側。ヤギと…
ポニーに挨拶して…
この民家にはどなたか住んでおられるようだ。いつかBSドキュメンタリー「睦子ばあちゃんと花畑の四季~福岡 能古島~」で放映されたあのおばあちゃんだろうか。
本道に戻る。
コスモスは残念だったが、公園のゆったりした時間と眺望のよさには満足。帰りのバスを待つ。
待合室兼お土産店。バスは左の椅子に座って待つ。並んだ順番でバスに乗る。
予定では16:18のバスだが、臨時便がやって来た。バスは2台あって、人が多くて乗れない場合は臨時便が出る。待合室で、椅子に座って待つのは人数を確認する意味もある。
能古島のフェリー乗り場に戻ってきた。
待合室の前にある、おもしろい喫茶店。
隣にはお土産と飲食店。
福岡市外を眺める。左端に写るのはヤフオクドーム。
次の船は17:00。
すでに日が翳り始めている。
17:10に姪浜の港に戻る。ホテルのチェックインは19時で予約している。少し早いのでもうひとつ回ることにする。志賀島では蒙古塚を見たが、元寇の主戦場となった博多の海岸には元寇防塁のあとが何ヶ所かある。事前に調べておいたが、生の松原地区は有名で姪浜からも歩いてそう遠くはない。ただ、今日はかなり歩いているので、しんどいのも確か。頑張って歩くことにする。
生の松原地区に行く途中、脇地区にも防塁跡があった。住宅地のとなりである。
跡といっても碑があるだけで、防塁は見当たらなかった。
生の松原地区に向かう。マップで見ると海岸にあるのだが、車道からそこに行く道が表示してない。ちゃんとした道がないのだろうか。時間も遅くなり、暗くなってはつまらないので不安になる。歩いていると矢印を発見。ここから曲がる。
松林の中を抜ける。
海岸に出た。きれいな夕焼けに遭遇。思わぬ御褒美だ。
一帯は整備された海岸になっている。
遊歩道も整備されていて、ジョギングや犬の散歩をする人がいた。
これが、テレビなどでもよく見かける元寇防塁。ここで鎌倉武士と蒙古兵が戦ったのか。
有名な蒙古襲来絵図のコピーが展示してある。元寇のとき神風(台風)が吹いたといって、のちの日本の軍国化に一役買ったといわれるが、台風の時期との関係から神風については諸説ある。NHKの歴史秘話ヒストリアでも最近取り上げられた。
向こうに先ほど行った能古島。
さて、予約している博多駅前のホテルに行くために最寄の駅に向かう。JR筑肥線・下山門駅。
筑肥線は姪浜で地下鉄空港線に変わる。同じ車両を、異なる運営会社が使用するパターン。神戸三宮でもあった。
博多駅前、夜のせいもあって分かりづらいが、スマホ片手にたどり着く。キャビンホテル博多。個室タイプのデラックスプラスというのをネットで予約しておいた。
デラックスプラス。館内が分かりづらいのでホテルの人に案内され、D+と表示された区画に入る。その後、自分で探すときも何回か迷う。
素泊まり\3500。シャワー・トイレは共用で外にある。
シャワーで汗を流した後、すぐに出かける。目的は元祖の長浜ラーメン。地下鉄空港線・祇園で乗り赤さかで下車。しばらく歩く。自分の住む広島でも長浜ラーメンはあるが、元祖は楽しみだ。
実は、長浜ラーメン。道路拡張のため閉店した後、再開する折に、「元祖元祖」と乱立することになった。このあたりの経過はここに詳しい。 店に、「当店は 長浜家とは関係ありません」の但し書きが貼ってあった。
で、元祖長浜屋 の長浜ラーメン。おしかった。広島で食べるのとしょっぱいとんこつ味がと違い、魚介のだし(おそらく)が利いている。今日は、昼間パンをかじっただけでちゃんとした昼ごはんをとっていないのと、おいしいので、ふだんはしない「替え玉」をした。ラーメン\500+替え玉\100。安い。
ラーメンの後は、歩いて「天然温泉 天神ゆの華」に行く。入浴料\720。
温泉から天神駅に向かう途中、 博多名物の屋台が並ぶ。
人だかりの屋台。テレビで取り上げられたのだろうか。
朝早くから夜遅くまで、ほんとによく歩いた。スマホの歩行計ソフトではうそかほんとか、48000歩、32km。
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