さて、八幡駅に戻り、これから市街地南部にそびえる皿倉山に登る。当初、ケーブルカー乗車口まで歩くつもりでいたが、あじさいの湯から乗ってきた送迎バスが着くと同時に、皿倉山ケーブルカーの無料シャトルバスが入ってきた。
八幡駅前から見る皿倉山。午前中かなりの距離を歩き、脚も着かれているので、歩きを止めてバスを利用することにする。
バスは約5分で山麓駅に到着。ここまでかなりの坂道を登ってきている。バスに乗って正解だった。歩いていれば、かなり消耗しただろう。
ケーブルカーは山麓駅から山上駅まで。山上駅からは、スロープカーに乗り替えて山頂に向かう。宮島の弥山と同様、山頂までの2段階方式。ただ弥山は山上から山頂まで歩きでかなりしんどかった。ケーブルカー+スロープカー通しで往復¥1200。
山上駅に向かうケーブルカー。20分おきに運行している。
軌道の勾配はかなり急である。
GW期間の祝日で車内は満席。
山上駅に向かう。
中間地点で、下りのケーブルカーとすれ違う。
山上駅に到着。
すぐにスロープカーに連絡。
スロープカーとはどんなものかと思ったが、小型のモノレールのようなもの。
車内から景色を眺望できる。
山頂駅に到着。
山頂からは周囲の街並みが一望できる。
八幡駅方面。残念ながら、春霞でかすんでいる。
頂上には各テレビ局の電波塔が立ち並ぶ。
皿倉山、標高622m。宮島の弥山(535m)より高い。
ウソかホントか、昔々、神宮皇后がこの山に登り深まる夕闇を見て「更に暗くなり」と言ったとか。「更暗」→「更倉」→「皿倉」、語呂合わせのような謂れだ。
展望広場の奥から下りてみる。
先ほど訪れた河内貯水池がかすかに見える。
一巡りすると、天空ドームがある。上には例によってハート形の造形がある。2015年、山頂からの夜景が“恋人の聖地”として認定されたとのこと。
山頂への登山道を記した案内図。河内方面への道もあるが、歩いて登る人はほとんどいないだろう。
山頂を一巡りして、駅に戻る。
草原に腰を下ろし、いろいろと無理をさせる脚に感謝し、末永く歩けるように祈る。
今日はちゃんとした昼ご飯を食べていないので、なにかあるかと思い、展望レストランに寄ってみる。
うどんや門司港名物焼きカレーなどあるが、落ち着いて食べる気分になれないので、パスする。
再びケーブルカーで麓まで下りる。
実は、無料シャトルバスは土日祝日の運行である(4/28~5/6はGWとして平日も運行)。今日は祝日でラッキーだった。
現在15時近く。帰るには少し早いので、もう一つ寄っていくことにする。マップで見ると、スペースワールド駅の近くに「世界遺産・旧八幡製鉄なにがし」のスポットがあるので、予備知識はないが行ってみることにする。バスで八幡駅まで戻る。
JRスペースワールド駅に着く。八幡から小倉寄りに一駅。
スペースワールドは既に閉園しており、駅から遊園地までのモノレールの橋脚にはツタが絡まる。
「官営八幡製鉄所旧本事務所眺望スペース」とはいったいなんだろう。
旧スペースワールド正門前の地下道を海側に行く。
ボランティアか市職員の人に「VRはいりますか?」と聞かれる。意味がよくわからないので、「いりません」と答えると
「1名様入ります。VR不要です」とどこかに連絡している。
眺望スペースとやらに入っていくが、構内には入れない。
かつてのここの風景写真のパネル。確かに「眺望スペース」だが、これだけ?製鉄所のあととか見れると思っていたので、肩透かしを食らった。
午前中に行った「河内貯水池」は八幡製鉄所の所有。「魚釣り禁止」が八幡製手鉄の名前で出されていた訳がここで分かった。
製鉄所関連の見学があっけなく終わったので、スペースワールドの脇を通ってスペースワールド駅に戻る。
スペースワールド:福岡県北九州市八幡東区にかつて存在した「宇宙がテーマ」のテーマパーク。「スペワ」という愛称で親しまれた。2017年の大晦日から翌2018年元旦にかけて実施されたカウントダウンイベントをもって営業を終了し、2018年1月1日の午前2時に閉園した。(ウィキペディアより)
ほとんどの設備がそのまま残っているが、一部解体が始まっている。解体費も膨大な額になるのだろう。
スペースワールド駅南側は、東田博物館ゾーンと言って、「いのちのたび博物館」「環境ミュージアム」「北九州イノベーションギャラリー」が並ぶが、その中でもメインは、「いのちのたび博物館」。現在16時前、閉館は17時であまり時間もなく予備知識もないが、せっかくなので寄ってみることにする。
右手に見えるのは、東田第一高炉跡。今日は通り過ぎる。
明治34(1901)年に操業をはじめた近代製鉄発祥の地・官営八幡製鐵所。その第一高炉(第10次改修高炉)一帯を指定文化財に指定し、史跡公園として公開している。内部を見学できるほか、広場内に歴史を学べるパネルや、高炉で溶かした銑鉄を運ぶ貨車などを展示する。(「北九州市観光サイト」より)
いのちのたび博物館。別名、北九州市立自然史・歴史博物館。
北九州市立自然史・歴史博物館は、伝統と実績のある北九州市立の3つの博物館(自然史、歴史、考古)がー体となり、パワーアップした魅力的な博物館として2002年11月に誕生しました。(いのちの旅博物館HPより)
常設展示室入館料¥500。特別展示は別途料金加算。
大英博物館を思い起こさせる入口の展示。
定番のティラノサウルス。
古代の巨大トンボ、メガニューラ。
巨大鮫の顎。もう少し展示に工夫して、躍動感がほしい。
アンモナイトは数10種類あるらしい。
哺乳類の展示コーナー。ナウマンゾウ。
2階に上る。
2階は北九州の歴史コーナーになっている。今回一番印象に残った。かつての八幡製鉄所の社宅を再現したもの。
縄文人と弥生人の比較。
耳垢に関する興味深い話。縄文人のものは湿り気があり、弥生人のものは乾いているそう。自分は弥生人に分類される。
ミュージアムでは化石類も販売している。高価なものは数10万円のものもある。
いのちのたび博物館。時間もなく、駆け足で一回りした。
JRスペースワールド駅から小倉駅まで。おなかがすいたので小倉駅で一度下りる。食堂を探したが、適当なものが見つからず人も多いので、改札口前の広場で催している「沖縄物産展」でコロッケを買い。コンビニでおにぎりを買い、広場のベンチに腰掛け空腹を満たした。新幹線に乗るまでの時間つぶしに、喫茶店「エスタシオン」に入る。喫煙可なのでメモしておく。
「河内藤園」、感動的な美しさだった。