2018年4月10日火曜日

北木島 (2018. 4.10)

北木島はNHKの番組「ジオ・ジャパン~絶景列島を行く」で知った。良質の花崗岩を 産出し、日本各地の有名建造物に使われてきた。北木島には、岡山県笠岡から船で行く。最初の計画では、北木島見物の後笠岡にもどり、カブトガニ博物館に行こうかと考えていたが、1984公開の日本映画、夏目雅子の遺作となった「瀬戸内少年野球団」(物語の舞台は淡路島)のロケ地になった真鍋島が、北木島のすぐ近くなので、北木島~船で移動~真鍋島のコースに変更し、帰りに乗換駅になる福山で駅前のスーパー銭湯・ゆららに寄って帰ることにした。

朝一の新幹線で福山に行き、山陽本線に乗り換えて、6:50には笠岡駅に着く。

笠岡駅からフェリー乗り場までは少し距離があるが、次の北木島行は7:15なので、十分間に合うだろう。実は、笠岡市から笠岡諸島(この辺一帯の島々をそう呼ぶ)への船の航路は数種類あり、船会社も何社かあり、とても複雑だ。事前に予習しておいた。まず向かうのは、北木島・金風呂なので、フェリーに乗る。高速船は行かないし、乗り場も違う。

7時にはフェリー乗り場伏越港に着く。すでに乗客が集まっている。

フェリーが来た。見る限りほとんどが生活利用の乗客で、自分のような観光利用の人はいない。

中にランドセルを背負った女の子がいたが、通学だろうか。運賃は笠岡~金風呂¥540、船内で払う。無口な青年が徴収に回ってきた。

笠岡港とを出てからしばらくは狭い入江が続く。遠くに見える橋は、県道195号線。

ようやく入江から、瀬戸内海に出る。

8:15、北木島・金風呂港に到着。


金風呂港の待合室。時刻表からするとNPOの運行するバスが、1日3便走っているようだ。

最初の目的地、鶴田石材の石切り場がある方面に向かい、東方向に向かう。

石切り場と言っても、観光案内図があるわけでもないので、マップで確認しておいた。中央部に何か所かある黒っぽいものが、石切り場跡にできた池と思われる。

今から向かう、鶴田石材は大手の企業で、現在も営業している。プレハブの詰所らしき建物の窓に貼ってるポスター「山を削って日本を築いた島」。(帰りの笠岡駅に寄ったが、このポスターが各所に貼ってあった。)

山の方に上がっていくと、石切り場がある。音が聞こえるので作業しているようだ。

ネットで報道されていた展望台があるが、鍵がかかっている。見学予約した場合のみ入ることができるようだ。

階段下の踊り場から下方を覗きこむことができる。

自分はそこまで行けないので、これがぎりぎりの撮影。これより先に覗き込もうとすると、転落の危険有り。

まるで、自然の断崖のように見えるが、人間が削ったもの。

他に絶景がないかと、もう少し登ってみる。

左側の草むらの向こうに池を発見。石切り場の後には水がたまって池ができる。

次の石切り場を探して歩く。

きれいな池を発見。

どこかの渓谷を彷彿とさせる絶景。

切り出した石が放置され、石切り場であることが分かる。

さらに、東に向かって歩く。かつて石の研磨会社だったのか、廃屋。

また一つ採石場跡を発見。「馬城採石場」の記念碑。

今は人影もない作業場。

立ち入り禁止ののロープが張ってあるが、危険はないので入ってみる。

切り立った岩壁とエメラルドグリーンの池のセットが、石切り場跡の定番風景だ。

マップで見ると、まだ石切り場跡と思われる個所があるが、道もはっきりしないので、これで跡地探検を終える。手押し車を押したおばあさんとすれ違う。自分がスマホで写真を撮っているの見て
「何を撮りに来られたの?」
「石切り場の跡を見に来ました」
「今はみんな山になってしもうて…」

確かに、石切り場は山になり、工場はツタが絡まる。

海沿いに歩いていくと、いかにも「登ってください」と言いたげな坂道がある。上がって見晴らしてみることにする。

 北側は白石島。

東は、これから行く北木島・豊浦地区。

豊浦地区に到着。朝のフェリーは、金風呂港に着く前に、豊浦港に寄港している。

豊浦地区には、石のモニュメントがあると、ネットに出ていた。そのとき、見た写真のもの。

現在、9:30。笠岡港を出てから、約2時間経過。

観光マップにも、グーグルマップにも載っていた「中華そば 大福」。営業しているのだろうか。

K's LABOの前にある、石でできた恐竜。


ゴーギャンの絵に出てきそうな横たわる女性像。
K's LABOはノーマークであったが、石のミュージアムとショップ。いずれにしても、10時オープンなので開館前。

豊浦地区から島の東側を歩く。これまでの道沿いにも石材関連の会社が多くあったが、多くは廃屋になっていた。営業しているのは1/4くらいだろうか。

海沿いに立つ石のモニュメント。

ここも廃屋。名前が面白いので撮った。「ガングソー」、後で調べたら英語で「gang saw」。ギャングに鋸を持たせたら危ないだろうに… ではなく、関連用語で大きな石切り鋸らしい。

別の工場の入り口にあった招き猫。

豊浦地区から、真鍋島行の船が出る大浦地区に向かう。

道沿いの奥に崖。これまで見てきた経験から、これも石切り場跡と判断できる。

大浦地区までは結構歩くことになるが、きれいな海沿いの道なので気持ちがいい。遠くに見える半島を過ぎたら、大浦地区。

半島の付け根にある砂浜。この辺りの人は、家のすぐそばで海水浴できるわけだ。

楠港。高速船の乗り場だが、6便のうち2~3便が入港する。

港の前にある、廃業した旅館。

大浦地区に行く途中にあった、石材会社の廃屋。

割れた窓ガラスにの向こうに見える、置き去りにされたヘルメットが、時の移ろいを語る。

小屋の後ろにある、石切り場跡の崖と池。

大浦地区の海岸に着いた。

瀬戸内の島々に多く見られる、狭くて古い町並み。

ここまでコンビニも商店も見かけなかった。初めて見る商店。

そろそろ腹が減ったので弁当にしようと思うが、例によって歩いた後、腸の活動が活発になっている。トイレを探す。何かのセンターらしき建物の横にあるが、やはり汲み取り式だ。ズボンのポケットに入れてある、スマホ・財布・小銭入れはいったんリュックに避難させ、万全の態勢で使用した。

弁当を食べる場所を探して歩く。北木島小学校。

時計が2:10を指している。時刻があっていない。だいたい小学校なのに生徒の気配がない。おじいさんが出てきて布団を干しだした。(あとで見たら診療所の看板があったので、小学校を改造した診療所だろうか。北木島小学校のHPで見ると2016年までの記事はあり、2016年の入学式はあった)

石の島なので、石のベンチを探す。

ベンチではないが、腰かけられる台があったのでここで弁当をひろげる。

北木島・大浦港。

おじさんがいて、切符を販売している。真鍋島行、次は12:10。運賃¥250。

待合室にはテレビもあり、¥100でホットコーヒーも用意してある。

待合室の前で船を待つ。おばあさんの大きな話し声が聞こえる。ここまで、何人か話をしているおばあさんに会ったが、みんな声が大きい。耳が遠いのか、話好きで大きくなるのか。方言の話しぶりが面白いので、思わず録音。おばあさんの話は終わりを知らず、このあとも数分続いた。聞き役のバイクのおばさんは、喜んできいていたのか、先を急ぐのに無理して付き合っていたのか。

船がやってきた。大浦から乗るのは自分と、JAのお兄さん?

結構、乗客が下船してきた。同時に、荷物も降ろされる。JAのお兄さんは乗客ではなく、台車を持って荷物を受け取りに来た。

船内は、笠岡からの乗客と、北木島から乗った自分。

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