朝一の新幹線で福山に行き、山陽本線に乗り換えて、6:50には笠岡駅に着く。
笠岡駅からフェリー乗り場までは少し距離があるが、次の北木島行は7:15なので、十分間に合うだろう。実は、笠岡市から笠岡諸島(この辺一帯の島々をそう呼ぶ)への船の航路は数種類あり、船会社も何社かあり、とても複雑だ。事前に予習しておいた。まず向かうのは、北木島・金風呂なので、フェリーに乗る。高速船は行かないし、乗り場も違う。
7時にはフェリー乗り場伏越港に着く。すでに乗客が集まっている。
フェリーが来た。見る限りほとんどが生活利用の乗客で、自分のような観光利用の人はいない。
中にランドセルを背負った女の子がいたが、通学だろうか。運賃は笠岡~金風呂¥540、船内で払う。無口な青年が徴収に回ってきた。
笠岡港とを出てからしばらくは狭い入江が続く。遠くに見える橋は、県道195号線。
ようやく入江から、瀬戸内海に出る。
8:15、北木島・金風呂港に到着。
金風呂港の待合室。時刻表からするとNPOの運行するバスが、1日3便走っているようだ。
最初の目的地、鶴田石材の石切り場がある方面に向かい、東方向に向かう。
石切り場と言っても、観光案内図があるわけでもないので、マップで確認しておいた。中央部に何か所かある黒っぽいものが、石切り場跡にできた池と思われる。
今から向かう、鶴田石材は大手の企業で、現在も営業している。プレハブの詰所らしき建物の窓に貼ってるポスター「山を削って日本を築いた島」。(帰りの笠岡駅に寄ったが、このポスターが各所に貼ってあった。)
ネットで報道されていた展望台があるが、鍵がかかっている。見学予約した場合のみ入ることができるようだ。
階段下の踊り場から下方を覗きこむことができる。
自分はそこまで行けないので、これがぎりぎりの撮影。これより先に覗き込もうとすると、転落の危険有り。
まるで、自然の断崖のように見えるが、人間が削ったもの。
他に絶景がないかと、もう少し登ってみる。
左側の草むらの向こうに池を発見。石切り場の後には水がたまって池ができる。
次の石切り場を探して歩く。
きれいな池を発見。
どこかの渓谷を彷彿とさせる絶景。
切り出した石が放置され、石切り場であることが分かる。
さらに、東に向かって歩く。かつて石の研磨会社だったのか、廃屋。
また一つ採石場跡を発見。「馬城採石場」の記念碑。
今は人影もない作業場。
立ち入り禁止ののロープが張ってあるが、危険はないので入ってみる。
切り立った岩壁とエメラルドグリーンの池のセットが、石切り場跡の定番風景だ。
マップで見ると、まだ石切り場跡と思われる個所があるが、道もはっきりしないので、これで跡地探検を終える。手押し車を押したおばあさんとすれ違う。自分がスマホで写真を撮っているの見て
「何を撮りに来られたの?」
「石切り場の跡を見に来ました」
「今はみんな山になってしもうて…」
確かに、石切り場は山になり、工場はツタが絡まる。
海沿いに歩いていくと、いかにも「登ってください」と言いたげな坂道がある。上がって見晴らしてみることにする。
北側は白石島。
東は、これから行く北木島・豊浦地区。
豊浦地区に到着。朝のフェリーは、金風呂港に着く前に、豊浦港に寄港している。
豊浦地区には、石のモニュメントがあると、ネットに出ていた。そのとき、見た写真のもの。
現在、9:30。笠岡港を出てから、約2時間経過。
観光マップにも、グーグルマップにも載っていた「中華そば 大福」。営業しているのだろうか。
K's LABOの前にある、石でできた恐竜。
ゴーギャンの絵に出てきそうな横たわる女性像。
K's LABOはノーマークであったが、石のミュージアムとショップ。いずれにしても、10時オープンなので開館前。
豊浦地区から島の東側を歩く。これまでの道沿いにも石材関連の会社が多くあったが、多くは廃屋になっていた。営業しているのは1/4くらいだろうか。
海沿いに立つ石のモニュメント。
ここも廃屋。名前が面白いので撮った。「ガングソー」、後で調べたら英語で「gang saw」。ギャングに鋸を持たせたら危ないだろうに… ではなく、関連用語で大きな石切り鋸らしい。
別の工場の入り口にあった招き猫。
豊浦地区から、真鍋島行の船が出る大浦地区に向かう。
道沿いの奥に崖。これまで見てきた経験から、これも石切り場跡と判断できる。
大浦地区までは結構歩くことになるが、きれいな海沿いの道なので気持ちがいい。遠くに見える半島を過ぎたら、大浦地区。
半島の付け根にある砂浜。この辺りの人は、家のすぐそばで海水浴できるわけだ。
楠港。高速船の乗り場だが、6便のうち2~3便が入港する。
港の前にある、廃業した旅館。
大浦地区に行く途中にあった、石材会社の廃屋。
割れた窓ガラスにの向こうに見える、置き去りにされたヘルメットが、時の移ろいを語る。
小屋の後ろにある、石切り場跡の崖と池。
大浦地区の海岸に着いた。
瀬戸内の島々に多く見られる、狭くて古い町並み。
ここまでコンビニも商店も見かけなかった。初めて見る商店。
そろそろ腹が減ったので弁当にしようと思うが、例によって歩いた後、腸の活動が活発になっている。トイレを探す。何かのセンターらしき建物の横にあるが、やはり汲み取り式だ。ズボンのポケットに入れてある、スマホ・財布・小銭入れはいったんリュックに避難させ、万全の態勢で使用した。
弁当を食べる場所を探して歩く。北木島小学校。
時計が2:10を指している。時刻があっていない。だいたい小学校なのに生徒の気配がない。おじいさんが出てきて布団を干しだした。(あとで見たら診療所の看板があったので、小学校を改造した診療所だろうか。北木島小学校のHPで見ると2016年までの記事はあり、2016年の入学式はあった)
石の島なので、石のベンチを探す。
ベンチではないが、腰かけられる台があったのでここで弁当をひろげる。
北木島・大浦港。
おじさんがいて、切符を販売している。真鍋島行、次は12:10。運賃¥250。
待合室にはテレビもあり、¥100でホットコーヒーも用意してある。
待合室の前で船を待つ。おばあさんの大きな話し声が聞こえる。ここまで、何人か話をしているおばあさんに会ったが、みんな声が大きい。耳が遠いのか、話好きで大きくなるのか。方言の話しぶりが面白いので、思わず録音。おばあさんの話は終わりを知らず、このあとも数分続いた。聞き役のバイクのおばさんは、喜んできいていたのか、先を急ぐのに無理して付き合っていたのか。
船がやってきた。大浦から乗るのは自分と、JAのお兄さん?
結構、乗客が下船してきた。同時に、荷物も降ろされる。JAのお兄さんは乗客ではなく、台車を持って荷物を受け取りに来た。
船内は、笠岡からの乗客と、北木島から乗った自分。
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