2019年9月16日月曜日

犬島 (2019. 9.16)

島歩きシリーズ、今日は岡山県の犬島に行く。実は、この夏、小豆島に行くつもりだったが、今年2019年は3年に1回の瀬戸内芸術祭で宿やレンタカーなど混雑が予想され、小豆島は来期に回すことにして、小豆島の隣の犬島に行くことにした。瀬戸内芸術祭の開催される島々は、昨年行った直島をはじめ、ほとんどは香川・愛媛県に属する四国の島だが、犬島は唯一岡山県側で瀬戸内芸術祭を担当する島である。
ただ、岡山から船で行くには、宝伝港という離れた港から行く。宝伝港までのバスも、犬島への船も便数が少なく、限られた時間でしか行くことができない。綿密に時間を調べて出かける。

新幹線で岡山まで、在来線赤穂線で西大寺まで。9:15、JR西大寺駅に到着。

宝伝港までのバスは、西大寺バスセンターを10時に出る。西大寺駅も経由するが、時間もあるので、歩いて15分のバスセンターからバスに乗る。祝日なのでもっと多いかと思い、あえて始発のバス停を選んだのだが、自分を含めて乗客は4人だった。

ところどころ離合も困難な狭い道を走り、約30分で港の最寄のバス停、西宝伝に到着。港は歩いてすぐ。船が止まっているあたり。

港の近くには駐車場があり、自家用車で来る人が多い。すでにたくさんの人が並んでいた。¥300払って11:00発の船に乗る。もっと早い便もあるが、広島から電車で来る場合、これが一番早い便になる。

自分が乗った後も、乗り切れない人がいて、この場合もう1台の船が出動する。自分の乗った船は、定刻よりも10分早く、10:50に出航した。もう1台の船が残された乗客を乗せるため動き出している。

宝伝港を出港。

犬島が見えてきた。

約10分で犬島港に到着。
 犬島:犬島諸島最大の島であり、行政上は岡山県岡山市東区犬島に属する。犬島本島とも呼ばれる。岡山市内唯一の有人離島でもある。2016年9月30日現在で人口49人。2010年10月1日時点で35世帯。古くから銅の製錬業と採石業などで隆盛をきわめてきた歴史があり、現在も残る当時の遺構が独特の雰囲気と景観を醸し出している。また、2008年の犬島精錬所美術館開館、2010年の瀬戸内国際芸術祭以降は、現代アートの島としても知られるようになっている。(ウィキペディアより)
犬島銅精錬所は、銅の価格暴落のため、煙害などの問題を残しながら、10年で閉鎖された。

まず、犬島に来た主な目的地である、銅精錬所跡に向かう。

東に見えるのは小豆島。

精錬所跡は精錬所美術館と別個に見学できると思っていたが、あの煙突に近づくには美術館から行くようだ。美術館敷地内に入る。

美術館の前の海岸は、精錬所跡の雰囲気がある。

実際の跡地か、美術館の一部として制作されたのかは、分からない。

美術館に向かう。

美術館入口。チケットセンターでチケットを買ってこなかったので、ここで購入。入館料¥2060、直島の地価美術館と同じく高額だが、精錬所跡に行くにはここしかない。入ると、スタッフの簡単なガイダンスがある。

館内は撮影禁止だが、こっそり撮影した。まっすぐ行けそうだが、鏡に反射している外の風景。実際の道は左に曲がっている。この仕掛けの曲がり角を何ヶ所か曲がる。

たぶん、三島由紀夫の旧宅の一部を利用したアート作品だろう。

暗い館内から外に出る。

正直言って、美術館よりも、精錬所跡の廃墟に興味があってやってきた。

精錬所跡の煙突と、美術館。

廃墟には遊歩道がある。

廃墟に上がる。

煙突と美術館を見下ろす。

こちらは崩れた煙突。

敷地にはロープが張ってあり、廃墟そのものには近づけない。

高台から見た美術館。

いったん下って、廃墟の横を通る。

もう一度高台に上る。

高台の先まで歩いていく。

高台の先端からみる煙突。あるいは、別のルートを探れば、tかづくことが出来るのかもしれない。(後で調べたら、精錬所跡は美術館の所有地になっていた。)

なんだか、軍事基地跡を思わせる建造物。

あの崩れた煙突を近くから。

精錬所跡の見学ここまで、美術館に下りる。

美術館の屋上が展望所になっている。

通気口。美術館は環境に配慮した設計になっており、その一部だろう。

向かいの島は、沖鼓島。かつて石材の採掘が行われた。

 展望所を下りて、美術館を後にする。

 美術館出口。

対岸は、昨年夏行った牛窓

9月半ばだが残暑がとても厳しい。まだ真夏の暑さだ。チケットセンターに向かい少し休もうと思う。

向こうに見えるのは、前島。牛窓のあとに行ったところ。

チケットセンターはカフェやお土産店になっている。しばらく中で休む。

コンビニで弁当を買ってきているので、外の陰になったベンチで昼ごはんにする。

ご飯を食べて、島を眺めながらしばらくぼーっとする。右が小豆島、左が前島。

時刻はちょうど正午。帰りの船は13:20、14:00、15:35。ただし、14:00で戻っても西大寺行きのバスがない。したがって、13:20か15:35の船で戻ることになる。時間がどのくらいかかるか分からないが、とりあえず、「家プロジェクト」を見てまわることにする。家プロジェクト見学料は美術館入館料に含まれている。

家プロジェクトF邸。

ここにはチケット確認要員のおじさんがいた。

F邸のそばにある神社。どんな離島にも神社がある。昔から島の暮らしがあったが、近代の工業化のあおりでぐちゃぐちゃになった。

石材採掘や銅精錬の時代には何千人もの人々が暮らした。今は数10人がひっそり暮らす。

 これも作品。石職人の家跡。

見学用の道案内はきちんとしている。

家プロジェクトS邸。

円形レンズを通して風景が映し出される。

家プロジェクトA邸。カメラのお兄さん、来るときの船上でも取り捲っていた。

連れの人が何人かいるが、どこかのテレビ局の人か。

色彩豊かな作品。

中から。

中の谷東屋。そばのベビーカーはたまたまだろうが、作品の一部としてみても面白い。

 家プロジェクトC邸。

 花をモチーフにしている。

家の中。

C邸を下から。見学者も多い。

 順路からすると、I邸が起こっているが、先に犬島ハウスプロジェクトに向かう。

しばらく歩く。

犬島ハウスプロジェクト。アーティストの作品系列とは別の個人作品。

 延べ1500人が参加した陶板タイルで出来ている。

犬島ハウスプロジェクトの遠景。建物は山陽高校研修所となっていた。

犬島ハウスプロジェクトから少し歩いたところ、犬島くらしの植物園。

温室の中。

鶏が餌をついばんでいる。

朝でもないのに、元気にコケコッコー。

ここで昼ごはんを食べてもよかった。

派手な花はないが、なぜか落ち着く花壇。

庭と温室。

向かいは犬の島。岡山化学工業の施設がある。2014年、化学薬品の漏出事故があった。

犬島小中学校の跡地を利用した自然の家。犬島での宿泊はここでできる。

自然の家の横を通り、C邸近くまで戻る。遠くに精錬所跡の煙突が見える。

ウキカフェの庭にある造形。「ダイヤモンドの庭」と案内がある。

家プロジェクトの最後の作品、I邸。

鏡が反射しあって、無限の空間を体験する…とあったが、鑑賞方法がいまいち分からなかった。

時刻は、13時ちょうど。なんとか13:20の船に乗れそうだ。バスと連携した15:35の船までは、2時間半もあるので、やはり13:20にしよう。港に急ぐ。

道路に描かれた絵画。瀬戸内芸術祭に参加する島らしい風景。

沖合いに点在する石群。向こうは宝伝港。

船が待機しているが、入り江が深く、ぐるっと回って港に戻ることになる。

風情のあるカフェ、時間に余裕があり暑くなければ、こういうカフェでゆっくりし、島を一周し、北木島と同じ石材採掘跡の池も見学できるだろうが、今日は暑くてばてている。このまま帰ろう。

停泊していた船は、別会社の豊島行きの船だった。豊島にも美術館があるから、いぬしまから豊島へ、瀬戸内芸術祭鑑賞コースの一つだろう。

自分が乗るのは「あけぼの丸」。

犬島を後にする。

精錬所跡のシンボルである煙突が見える。

犬島の全景。

宝伝港に戻る。

バスの時間までは7分。バス停に急ぐ。

西大寺駅に着いたら、岡山行きの電車がすぐに来た。船・バス・電車と、待ち時間なしのスムーズな連携。

岡山で桃太郎線に乗りかえて、大安寺駅で下りる。

わざわざ来たのは、「天然温泉ゆずき」で風呂に入って帰るため。

調べた結果、ここが駅から一番近い風呂だった。岡山駅西口のときわ湯はまた休みかもしれないし。

帰りの新幹線は、連休最後の日なので自由席がいっぱい。広島まで立ったままだった。


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