「 尾道七佛めぐりは、尾道を深く知って頂くきっかけとして、七つのお寺が宗派をこえてご縁を結びました…」(尾道七佛めぐり公式HPより)
坂の多い街なので歩き応えがあるだろう。また、中でも自分にとっての目玉スポットは、千光寺と浄土寺山の鎖場。昨年、三倉岳で鎖場を体験してから、鎖場が気になるようになった。
コースとしては下図の赤い最短コース3時間が予定である。七つの寺は事前に調べておいた。
寺名 | 宗派 | 見どころ | |||
1 | 持光寺 | 浄土宗 | 石門 | ||
2 | 天寧寺 | 曹洞宗 | 五百羅漢 | 三重塔 | |
3 | 千光寺 | 真言宗 | ロープウェイ | 千光寺公園頂上展望台 | |
鼓岩 | 玉の岩(烏帽子岩) | 鎖岩 | |||
4 | 大山寺 | 真言宗 | 五猿像 | ||
5 | 西國寺 | 真言宗 | 大わらじ | ||
6 | 浄土寺 | 真言宗 | 茶室 ・露滴庵 | 浄土寺庭園 | 多宝塔 |
7 | 海龍寺 | 真言宗 | 鎖岩 | 奥の院(浄土寺山展望台) |
いつものように新幹線で三原まで、在来線で尾道まで。7:36、尾道駅北口を出発。
線路沿いに最初にお寺に向かう。
歩く道はほとんど狭い坂道である。
①持光寺
石門が見える。
石門をくぐる。
本堂。
失礼して御本尊を拝見。
境内。朝早いので、誰もいない。
朝日がまぶしい。
次のお寺に向かう。
②天寧寺
寺から寺への移動は、そのつど次の寺を目的地にしてマップで経路を表示して参考にする。次の天寧寺は、本堂の上にある三重塔に先に着いた。
塔の上側に周り、しまなみ海道尾道大橋を背景に撮影。
坂を下り天寧寺に到着。
本堂。
先に五百羅漢を拝見する。
実際の数が500かどうかは分からないが、ものすごい数の仏像が並ぶ。
失礼して本堂に入る。
見事な襖絵(左側)。
襖絵(右側)。
お寺を少し下りたところ。参道は線路の下をくぐる。明治時代、坂の多い尾道に 線路を敷くにあたり、参道を横切らざるを得なかった。
次は数ある尾道のお寺の中でも別格の千光寺。頂上の展望台までロープウェイで登りたいが、始発が9時。少し時間があるので、乗り場隣の艮(うしとら)神社で初詣。
樹齢900年といわれるクスノキ。
ロープウェイ片道\320。
向こうの頂上まで約3分で上る。
ロープウェイから千光寺の玉の岩を見る。
ロープウェイ山頂駅。
展望台に上る。
展望台から東方面。これまで訪れた田島・横島・百島などが見える。
西方面。これまで訪れた因島・生口島・佐木島 などが見える。
頂上から千光寺まで歩いて降りる。
通称、文学のこみち。
志賀直哉の「暗夜行路」の一説。
林芙美子の「放浪記」の一説。実は10年位前、千光寺は訪れていて、そのときは文学関連のスポットを見て回ったので、今日は通るだけにする。今日は7つの寺の一つとして、千光寺に参詣する。
③千光寺
文学のこみちを下りたところ、最初に目にするのが鏡岩。鏡のように光を反射したというが、今はどうなのだろうか。
小さな洞窟に安置された岩屋観音。
弘法大師像が安置された大師堂。
「鐘は突かないでください」、鐘楼。
鐘の向こうに尾道大橋を見る。
玉の岩。夜になると玉に灯りがともるようだ。
千光寺本堂。狭い敷地に、たくさんの建造物がある。
護摩堂。
くさり山の下にある夫婦岩(めおといわ)。
今日の目玉スポットに一つ鎖場。石鎚山鎖修行。賽銭\100をお供え。
鎖は足をかける大きな輪が組み込まれていて、登りやすい。
無事頂上に到着。
眼下に向島を見る。
下からはよく見えなかった玉の岩。
頂上で、神奈川から来た社会人1年生の若者としばらく話す。宮島・大久野島とまわり、今日は尾道。日本中を旅するのが趣味で、特に庭園が好きだが同年代で話の合うのがいないとのこと。学生時代には自転車でしまなみ海道を走ったこともあるが、卒業し仕事についてからは、なかなか出かけられない… などなど、しばらく話し込んだ。(写真左の若者)
若者にエールを送り別れを告げ、下に降りる。
地図上で右の道を下りてきたことになる。
せっかくなので鼓岩、通称ポンポン岩まで行く。
中央にある槌で叩くと、たしかに空洞を示す音がした。
ロープウェイの下をくぐり、次のお寺に向かう。
プリントしてきた地図ではいったん下まで下りる順路だが、竹林の中、敢えて中腹を辿る。
次大山寺にむかう。
④大山寺
大山寺に到着。
本堂。
五猿(ご猿)の石像「みてご猿 いうてご猿 きいてご猿 まえむき猿 でご猿」。
境内はひっそりとしている。千光寺と比べると質素な造り。
天満宮との繋がりも深く、すぐ隣が天満宮。まさに神仏習合。
次のお寺、西國寺への近道の案内があるので、こちらを行ってみる。
⑤西國寺
近道を辿ってきたが、西國寺の上に出たので、敢えて下まで下りる。仁王門に、このお寺の見所、おおわらじがあるため。
坂の多い尾道の人々にとって、わらじは健脚祈願のための象徴。\1200で、奉納用のわらじを購入し願い事と一緒に収めることができる。 よく歩く自分にはうってつけのお寺だ。
長い石段を登る。
石段を登ったところにある金堂。
上に三重塔が見える。
境内はにぎわって活気がある。
青銅の不動明王。
ここも真言宗のお寺なので、大師堂。
境内には録音した読経が流れる。
三重塔まで登る。
尾道市街を見下ろす。
七佛も後2つ。いったん下まで下りて次の浄土寺に向かう。
⑥浄土寺
浄土寺に到着。浄土寺は線路沿いにある。
天寧寺同様、参道の上を電車が走る。
他の寺に比べてカラフルな建造物。
本堂。
多宝塔。
線香とロウソクをお供えする。
本堂に入りしばしお祈り。他のいくつかのお寺でも、お賽銭を上げお祈りしたから、御利益があるだろう(?)
浄土寺には庭園があると調べてきたのだが、正月のため閉鎖しているのか、見当たらなかった。最後のお寺に向かう。
⑦海龍寺
海龍寺は浄土寺のすぐ近く。
本堂。浄土寺にくらべこじんまり、ひっそりしている。
奥にある文楽の墓。
人形浄瑠璃・文楽の墓があり、手・指を使う文楽にちなみ、お経の塚を撫でながら念じると、技芸上達するといわれています。(海龍寺HPより)
番外編:くさり岩
さて、本日のもう一つの目玉スポット、石鎚山鎖修行のくさり岩。
くさりは3つに分かれている。1番のくさり。千光寺の鎖と違い、鎖に足を掛けるところはないので、岩に足をつけて踏ん張り、手と足の力で登る。先に、母と男の子の二人連れが登っている。自分が登ろうとすると、高齢者と思ったからだろう、お母さんが「登られるの?」と心配された。しかし、1番のくさりは比較的楽に登れた。
1番くさりを登ったところから見下ろす。
続いて2番くさり。2つの岩の間に足を掛けるところがない。ここが難所だ。それでも前身の力を振りしぼり這いつくばって、なんとか登りきる。かなり消耗した。
切れた息を整えながらしばし休む。2番くさりを登ったところから。
続いて3番のくさりだが、滑りやすい坂道をかなり登る。2番くさりで消耗しているので、これはこれで しんどい。
3番くさりに到着。先ほどの親子が登っている。
自分も挑戦するが、最後のところの岩がとても滑りやすい(写真のしろっぽい部分) 。足で踏ん張ることができず、自分の腕力だけではどうにも登りきらない。3度挑戦したが、無理して怪我をしてはもともこもないので、残念ながら断念する。登り口には、自分より先に若い男女のカップルが待機していたが、やはり滑りやすい岩の部分で挫折したとのこと。
3番くさりの登り口から見下ろす。 若いカップルは、もういちど挑戦するとのこと。エールを送り、自分は下山する。振り返ると、男性が下から女性を援助し、登っていた。どうなったか。
2番くさりを登ったところ付近に、側道(歩道)に出る道があったので、帰りはくさりでなく歩いて下りることにする。
番外編:浄土寺山展望台
歩道に出た。当初は体力を消耗しているので、下山するつもりだったが、3番くさりで断念したのが、どうにも心残りだ。予定としては、くさりを登りきって、展望台に行くつもりだった。下りるか登るか、階段に腰掛けてしばし思案する。
頑張って上ることにしたが、しばらく登ると動悸がして続かない。休み休み登る。
鳥居が見えてきた。ようやくか…
まだまだ先があるようだ。巨岩に彫刻された不動明王。よくこんなところに彫ったものだと感心する。
石段はまだまだ続く。登る途中、3番のくさりで挑戦していた男女に出会う。めでたく登りきったようだ。やはり、登りきると歩道に合流するらしい。
巨岩の間に安置されたお地蔵さんたち。
せり出した巨岩の下を気をつけて通り過ぎる。
おお、ようやく頂上らしき雰囲気がしてきた。
浄土寺奥の院。先に、母と娘の3人連れがお参りしていた。
広場に横たわる巨岩。
奥の院の上に展望台がある。
最後の力を振りしぼって展望台へ。松永湾を眺める。
尾道水道を眺める。
七佛+番外編の行程を終えて下山する。
時間は午後1時をゆうに過ぎている。後は昼ごはんと温泉。尾道駅方面に向かって歩く。
先ほど苦労して登った浄土寺山とくさり場。
おのみち映画資料館。映画の町、尾道ならではの資料館だが、本日は休み。
腹が減っているので、どこか食べるところがないか探しながら商店街を歩く。多くの店はしまっているし、コンビにもない。
まかない食堂なるものがあった。のぞいてみると空いているので入る。
何を食べるか決めずに入り、メニューも分かりづらかったので、\1450と書かれた鯛めしセットを注文する。 \1450もするのだから豪華なものだろうと思ったら、すぐでてきたのがこれ。おまけにおいしくない。これはだまし討ちだ。自分のように何も知らずに入る、一元の観光客しか入らないだろう。道理ですいているわけだ。自分がカウンターの中央に座ろうとしたら、「端から座ってくれる。いついっぱいになるかわからないから…」とおじさんに言われたが、いっぱいになることはないよ。おまけに、食べ終わった食器を上に上げるように指示するし、とんでもない店だった。後でネットで調べたら「不快」の投稿もままあった。同じ経験をした人もいるのだろう。自分が食べていると、家族連れが入ってきたが、卵かけご飯を注文していた。どうやら、唯一卵かけごはんが売りのようだ。でも、尾道まで来て卵かけごはんをたべるのは思いつかない。
憤懣やるかたなく表に出て歩く。ここは尾道ラーメンの店。長蛇の列。他の尾道ラーメン他の店も列ができていた。観光客数の割りに、食べるところが少ないようだ。尾道の昼ごはん、要注意。
「迎春」の垂れ幕があるが、ひっそりしている。
かつて銭湯だった建物をそのまま使用している、販売所。 自分の温泉は、チェックしていた「尾道みなと館」は門戸を閉ざし入りづらいし、もう一つの「栗原温泉」は正月で安に出し、風呂はあきらめて帰ることにする。
時間は午後2時20分。休憩食事時間を1時間とみても、約6時間半歩いたり登ったりしたことになる。お疲れ様でした。帰りは、三原は本数が少ないので、福山まで行き新幹線で帰った。
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