2020年8月11日火曜日

豊島 (2020. 8.11)

予定では、大山か蒜山に登るつもりでいたが、連日の真夏日、熱中症も心配なので、予定変更して、島に行くことにした。これまで多くの瀬戸内の島々を歩いて来たが、残っている数少ない島の一つ、豊島に行くことにした。豊島と書いて「てしま」と読む。広島の大崎下島の隣にあるのは豊島(とよしま)。東京池袋は豊島区(としま)。そして、豊島のある香川県には、もう一つ「てしま」がある。塩飽諸島のひとつである手島。なんともややこしい名前だが、直島同様、瀬戸内海芸術祭の作品が展示されている。

そして、高松に1泊して、翌日は愛媛県まで移動し、内子に行くことにした。去年、下灘・大洲の旅で、時間がなくて寄れなかったが、先日、NHKの「小さな旅」で取り上げられたのを見て行きたくなり、今回の旅に組み入れることにした。

 

船は直島と同じく、岡山の宇野港から出ている。JR宇野みなと線利用だと、8:30の高速船に間に合わないようなので、岡山駅からバスで向かう。

 

約1時間で宇野港に到着。行き先と船の種類で乗り場が違うので確認しておく。


今回乗るのは高速船。フェリーと交互に運行している。


乗船する。

 

約30分で、豊島の家浦港に到着。豊島には、港がもうひとつ、豊島美術館に近い唐櫃(からと)港があるが、家浦港のほうが便数が多い。

 

豊島は坂が多い。レンタサイクルは、すべて電動である。4時間まで1000円、後1時間ごとに100円の追加料金。


作品展示が多く、豊島美術館がある唐櫃地区に向かう。

 

ずっと登り坂。途中の木陰でひと休み。


唐櫃地区に到着。作品の最近の瀬戸内芸術祭は、昨年2019年だった。その時の作品が展示されている。

 

 ストーム・ハウスに向かう。家の中で、嵐の一夜を体験できるそうだ。


時間外か、展示終了か、閉まっていた。

 

 島の各所に、こんな火の見櫓が立っている。ハートの火の見櫓。


作品、空の粒子。

 

すぐ隣に、荒神社。

 

唐櫃の清水。手洗い場と飲み水用に分かれている。水を汲んだり、顔を拭いたり、ここが移動の拠点になった。

 

 あなたの最初の色(私の頭の中の解-私の胃の中の溶液)という、長い名前の作品… と思ったが、島キッチンのテラスだと後で分かった。右の建物が作品。

 

唐櫃港のほうへ下る。小豆島が見える。



景色のいい坂を下る。親子連れが写真を撮っている。


豊島棚田プロジェクト。


向日葵が咲いている。

 

唐櫃港まで下りる。家浦港に比べると、ひっそりしている。


勝者はいないーマルチ・バスケットボール。

 

後から登るつもりの檀山。


唐櫃港から少し離れたところにある、心臓音のアーカイブ。ここは有料。自分の心臓音も録音して残せるらしい。ただ、今日は豊島美術館で10:30の予約をしている。ゆっくりできないので、パスする。


前は小豆島。

 

浜辺が広がる。


先ほど下りてきた坂を、豊島美術館に向かい登る。とても暑い。


棚田を見渡す。

 

現在、豊島美術館は、オンラインでの完全予約制。自分は、10:30に予約していた。椅子に腰掛けて、入館を待つ。時おり、予約制を知らずに来る人もいが、しかたなく引き返していた。


美術館までは、遊歩道を一回りして到着するようになっている。


小さい方のドームはショップ。


遊歩道を行く。


振り返って、左の四角いのが入口。そこで、チケットの確認をする。


林の中を進む。


林を出ると、美術館入口。


円形ドームの中には、大きな穴が二つあるだけ。ゆるやかな傾斜を水が転がる。これも作品の一部。撮影はできないので記録できないが、不思議な空間でずっといたくなる。おおよそ30分、寝転がって過ごす。16:30までは再入場できるので、島巡りの合間に、休憩所として利用もできる。

豊島美術館HPより)

 

 美術館を出る。


自分にとっての、豊島でのメインスポットは、美術館以外にもう一つある。檀山展望台から、島々を見回してみたい。ただ、この暑さ。どこまでいけるだろうか。唐櫃清水近くに自転車を置いて登り始める。

 

とりあえず、ささやきの森まで行く。

 

ようやく木陰に入る。直射日光の有無でずいぶん違う。


分岐点。左が檀山への登山道。まっすぐ、ささやきの森に向かう。


受付のようなものがあるが、芸術祭のときは有料だったのだろうか。


この森自体が、ささやきの森なのか。事情が分からないまま、進む。


しばらく行くと、風鈴が林立している。風が吹けば、風鈴が鳴るのだろう。ささやきの森の意味を納得する。


先ほどの分岐まで戻る。ここで引き返そうか、檀山まで登ろうか、しばし迷う。暑さが心配だが、無理なら引き返すことにして、とりあえず登山道を登ることにする。


ゆるやかな傾斜なので、気候のいい時なら苦にならないが、今日の暑さはこたえる。視界が開けてきた。ここまで来れば、もう登るしかない。


あの上が、檀山頂上か。


檀山展望台のほかに、岡崎公園展望台がある。その分岐点。先に岡崎公園展望台に行く。


岡崎公園展望台まで、500m。


途中にあった神社、豊玉姫宮。

 

岡崎公園展望台に到着。


ここからは、小豆島は見えないが、南側の景色が見渡せる。五剣山、屋島、男木島、女木島、そして高松市街。この景色を見れただけでも、暑い中、登ってきた甲斐があった。


小豆島を見渡したくて、分岐点まで戻り、檀山展望台に向かう。


まだまだ、先のようである。唐櫃清水で汲んだペットボトルの水もつき、体力もつき、檀山頂上は断念して、ここで引き返す。


登ってきた道を下る。展望のいい場所から。犬島方面。


煙突が見える。

 

小豆島。


寒霞渓。


自転車で登ってきた、インバウンド女子2人組。自転車もありか。下りが楽だろう。


豊島美術館方面。


白いドームが見える。


路傍にマリーゴールド。最近、あいみょんの「マリーゴールド」をよく聞くので目にとまった。


島キッチンで昼ごはんをと思ったが、ランチは終了していた。


登山前に自転車を置いていた唐櫃清水に戻り、一休み。


家浦港に戻る途中、トムナフーリの展示場所があるので寄ったが、閉鎖中。バス停があるので、芸術祭のときは、バスも通っていたようだ。


海の見えるレストラン。ここも、閉まっている。


豊島中学校の前にある、檀山への家浦からの登山口。ここから3.8km。


年代ものの自販機。COFFEEとあり、不二家のロゴがある。


檀山の展望台らしきものが見える。


針工場に到着。

豊島の家浦岡集落にて、平成を迎える手前で閉じられたメリヤス針の製造工場跡。そこに設置されたのは、宇和島の造船所にて一度も本来の役目を果たすことなく約30年間放置されていた、鯛網漁船の船体用の木型です。別々の記憶を背負った2つの存在が、アーティストを通して重ね合わせられ、新たな磁場となって作品空間を形成しています。全長17mを超す船型は、切断することなく一隻丸ごと台船に載せられ、宇和島から瀬戸内海を渡って豊島へと運びこまれました。その時の様子は制作プロセスにてご覧いただけます。(ベネッセアートHPより)


針工場入口。ここは有料。


巨大な船の木型。


後ろから。


先ほどからか、雷鳴が聞こえていたが、ここでどしゃ降りの雨。


隣のショップで、木型が運ばれてくるまでのビデオを見ながら、雨宿りさせてもらう。

 

しばらくして、雨が止んだ。


豊島横尾館に行く。


昼は、非常用にコンビニで買っておいたおにぎり一つだけ。まともに食べていない。前の店でアイスクリームを買って、腹の足しにする。


豊島横尾館に入る。ここも有料。

アーティスト・横尾忠則と、建築家・永山祐子による「豊島横尾館」は、豊島の玄関口となる港に面した家浦地区の、集落にある古い民家を改修してつくられました。展示空間は、既存の建物の配置を生かして「母屋」「倉」「納屋」で構成され、平面作品11点を展示しています。また、石庭と池、円筒状の塔にはインスタレーションが展開され、作品空間は敷地全域にシンボリックな拡がりをみせます。その空間は、生と死を同時に想起させる哲学的な場となり、さらに、建物には光や色をコントロールする色ガラスを用いて、豊島の光や風や色、作品の見え方をさまざまに変容させて、空間体験をコラージュのようにつなげます。(ベネッセアートHPより)


赤を基調にした庭。


屋内は撮影禁止と了解していたが、屋外も作品なので、撮影禁止だった。


予定の島巡りを終えて、家浦港に戻る。レンタサイクルは、2時間超過で、200円の追加料金を払う。高松に行くには、高速船の直行便があるが、次の便は17:20。後2時間あまりの待ち時間がある。小豆島を経由して高松に行くこともできるが、乗り変えると、どのみち同じような時間になるので、港で待つことにした。スイカを食べたり…


これは、フェリー。


屋内が混雑するときは、外で待機するようにとの案内もあるので、ベンチも充実している。


港周辺をうろうろして、待つこと2時間。ようやく、高松行きの高速船がやって来た。


乗客は多い。


直島の横を通り、男木島と女木島の間を通過し、約1時間で高松港に到着。いつもは電車で高松に入るので、海からの上陸は新線だ。


港の近くに、今日のホテル、JRホテルクレメント高松。これまで2回、高松に宿泊しているが、いろいろ試してみようと思い、このホテルにした。素泊まりで税込み7900円。


ホテルに入るには早いので、琴電の仏生山で下車。

駅から10分くらい歩いて、仏生山温泉天平の湯。料金は普通だが、とてもシャレたつくりである。休憩所には、古書が並べてある。若い頃読んだことのある書物も並んでいて、懐かしかった。


風呂から上がって、駅に戻る途中、大衆劇場仏生山。


晩御飯は、どこかで讃岐うどんと思ったが、今日もよく歩いたので、コンビニでぶっ掛けうどんを買い、ホテルで食べる。ホテルの17階の窓から、高松駅とシンボルタワー。シンボルタワーはライトアップされている。


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